ラーメン官僚も絶賛する『宮元製麺』の超濃厚ラーメンのウマさの秘密とは?

豊富な経験から生まれる唯一無二の一杯「塩ラーメン」と「油そば」

「塩ラーメン」950円。ラーメン・つけ麺・油そばを問わず、使用する個々の素材について、うま味の出方や感じ取られ方を綿密に吟味し、あらゆるうま味をまんべんなく活かした味わいを構築することに最も注意を払ったと宮元店主は語ります
「塩ラーメン」950円。ラーメン・つけ麺・油そばを問わず、使用する個々の素材について、うま味の出方や感じ取られ方を綿密に吟味し、あらゆるうま味をまんべんなく活かした味わいを構築することに最も注意を払ったと宮元店主は語ります

 なお、私がいただいた「ラーメン」と「つけ麺」以外の商品も、宮元氏のラーメン職人としての豊富な経験が、十二分に活かされたものです。

 例えば「塩ラーメン」のタレは、複数の産地から厳選した複数の塩をブレンドし、貝柱・節など、出汁に入らない素材の滋味を溶け込ませたもの。また「油そば」は、自家製麺の魅力を最大限引き出すために必要な工程をじっくりと考えながら開発したものだそうです。

「油そば」950円
「油そば」950円

 スープだけではありません。麺にも、熟練職人ならではのこだわりが光ります。宮元さんによれば、「この店のためだけに、新たに製麺機を購入しました。数種類の小麦をブレンドし、じっくりと寝かせることで、モッチリとした食感が満喫できる、素晴らしい熟成麺が完成したのではないかと自負しています」とのこと。

もちっとした食感の麺は食べ応え抜群
もちっとした食感の麺は食べ応え抜群

 実際、その自家製麺は、超濃厚で押し出しが強烈なスープに一歩も引けを取らない存在感を放ち、なおかつ、スープの滋味を余すところなくとらえて口元へと運び込む、“うま味の伝道者”と呼ぶに相応しい逸品です。

全てのラーメンに店主のこだわりと愛が詰まっている
全てのラーメンに店主のこだわりと愛が詰まっている

 最後に、『宮元製麺』に懸ける想いについて、宮元店主に自由に語っていただきました。

「当店は、私の“本気”をできるだけ多くの人たちに届けたいというコンセプトで開業したお店。なので、味もあえてファミリー向けチェーン店のように食べやすくせず、ガツンとインパクトがあるものにしています。近々、清湯タイプのラーメンも商品化する予定ですので、ご期待ください」

 今や、実力店として不動の地位を確立した『宮元グループ』ですが、新規出店や限定メニューイベントの開催など、様々なことに取り組むチャレンジングな姿勢は、1号店創業時からいささかも揺らぎません。これからも、都内ラーメンシーンの核となるグループのひとつとして、注視し続けていきたいと思います。

宮元達宏店主のプロフィール

・東京都生まれ。ラーメン職人になる前は、知る人ぞ知るラーメンマニアとして、年間500杯のラーメンを食し続けてきた、ラーメン好き店主の代表格。元々がラーメンマニアなので、連食するお客さんへの対応はお手のもの。つまり、気兼ねすることなく連食できるということ。

・ラーメン好きが高じて、『麺屋一燈』へと弟子入りし、『ラーメン凪』を経て、再び『一燈』にて修業。同店のセカンドブランドである『ラーメン燈郎』の店主へと抜擢され、地力を蓄えた後、2015年、蒲田の地に『煮干しつけ麺宮元』を構える。

・元ラーメンマニアならではの「流行のその先を読む」能力により、スタンダードなジャンルの1杯に「宮元氏ならではのオリジナリティ」という名の魂を吹き込むことを得意とする。2020年代の東京ラーメンシーンの屋台骨を支える、熟練ラーメン職人。

・江東区在住なので、休日に家族でラーメンを食べに行くときは、まず江東区内のお店をチェック。しかし食べたいラーメンを出す店が少なかったり、そもそも席配置がファミリー向けでなかったり…という状況で、足を運べるお店がなく、特に南砂町駅の周辺はラーメン店の数自体が少ないこともあり、地元への恩返しという意味合いを込めて『宮元製麺』を南砂町に出店。

●SHOP INFO

店名:宮元製麺

住:東京都江東区東砂5-1-11 ジェイズクレイドル 1F
TEL:03-6822-6202
営:11:00~15:00、17:30~21:00
休:水曜

●著者プロフィール

田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。