牛の旨み100%! 大久保で今話題の『951』の牛肉ラーメンが旨いワケ|田中一明のラーメン官僚主義!

牛の旨み100%! 大久保で今話題のる『951』の牛肉ラーメンとは?
食楽web

絶妙な味わいが癖になる牛ラーメン!
計算し尽くしたバランスが生み出す旨みの競演に刮目

 今回ご紹介する『951』は、JR・大久保駅から徒歩3分ほどの裏路地にひっそりと佇むお店。オープンしてわずか3ヶ月という短期間にも関わらず、大久保界隈のラーメン店にこのお店ありと言わしめている話題のお店です。

「牛肉汁つけ麺(中盛)」800円
「牛肉汁つけ麺(中盛)」800円

「今回、この店が主力メニューのコンセプトとして掲げるのは、ズバリ『牛』です。本年5月にオープンしたばかりで、まだまだ味は試行錯誤の途上ですが、食べに来て下さった方々の意見に耳を傾け、どんどんブラッシュアップを図っていきたいと考えています」と意気込む。

「海老つけ麺(中盛)」800円
「海老つけ麺(中盛)」800円

 現在(2018年8月)、メニューラインナップは、大きく2系統に分かれる。出汁に牛素材を用いた「牛肉汁つけ麺」、「牛塩ラーメン」、「煮干醤油ラーメン」と、8月になって新たに商品化されたshrimp(エビ)シリーズ(「エビつけ麺」、「濃厚エビ味噌つけ麺」)だ。

「牛塩ラーメン」750円 ※夜限定
「牛塩ラーメン」750円 ※夜限定

 中でも、私が特にオススメしたいのは、牛系ラインナップの一翼を担う「牛塩ラーメン」。「塩ラーメン」と銘打ちながらも、まろやかな甘みとうま味を持ち味とする「白醤油」を駆使。

 塩カドを必要以上に際立たせないことによって、牛が本来持ち合わせている重厚感と華やぎを兼ね備えたうま味を余すところなく表現。液状油の力添えも相まって、啜れば啜るほど味わいに深みが増しゆく構成にはスケール感とドラマ性があり、食べ手はただ、感服するほかない。

 スープだけではない。それ以外のパーツも付け入る隙は皆無だ。スープの主役となる素材が「牛」であることに着目し、豚チャーシューでなく牛チャーシューを抜擢。それ以外にも、牛の風味を引き立て更なる高みへと誘う「胡椒」をデフォルトで振り掛けたり、啜り心地を極限まで向上させるために麺肌滑らかな中細麺を採用するなど、つぶさに観察すれば「なるほど!」と唸らされるギミックが随所に施されている。

 ビジュアルを一見すれば、何気ない出で立ちのように見えるが、その実、緻密な計算とロジックに裏打ちされた、名門の名に恥じない1杯。

店主の望月さん
店主の望月さん

 オープン当初の5月段階においては、その存在が影も形もなかったshrimp系メニューを、開業してから3ヶ月余りの間で開発し商品化にこぎ着けるなど、今後も怒濤の展開が予想される『951』。歩を先へと進めるために躊躇なく変化と革新を試みる心意気に脱帽させられる。

 今後の展開が楽しみで仕方がない。「次は、どんな味で食べ手の度肝を抜いてくれるのだろうか」と。

●SHOP INFO

951 外観

店名:951

住:東京都新宿区百人町1-23-22
TEL:03-5330-7261
営:11:30~14:30 17:30~22:30(LO22:00)、土曜11:30~15:00
休:日、祝日

●著者プロフィール

田中一明

フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。現在までの通算杯数は8,000杯を超える。