これぞ究極の担担麺! ラーメン官僚も絶賛する『Jikasei MENSHO』(渋谷)の「牛とろシビレ担担麺」が旨い

これぞ究極の担担麺! ラーメン官僚も絶賛する『Jikasei MENSHO』(渋谷)の「牛とろシビレ担担麺」が旨い
食楽web

日本文化の発信地・渋谷で目指す、至高の領域。
『MENSHO』最新店舗の主役は、日本が誇る食材・和牛!

 2019年11月22日、改装のために2016年から休業していた「渋谷PARCO」が装いも新たに、次世代型商業施設として復活を遂げた。「渋谷PARCO」は、日本経済が安定成長へと切り替わった1973年に産声を上げ、約半世紀にわたって渋谷の変遷を見守り続けてきた。

 少し仰々しい言い方をすれば、同施設は、存在自体が「渋谷」がまとう空気感を構成する象徴のようなもの。そんな「渋谷PARCO」が今般、特に力を入れて創り上げた空間のひとつが「飲食ゾーン」であり、その「飲食ゾーン」に『Jikasei MENSHO』が出店したことは、必然的に大きな意味を持つ。

「牛とろシビレ担担麺」990円
「牛とろシビレ担担麺」990円

『MENSHOグループ』の代表・庄野氏は言う。「渋谷は、伝統的な文化と革新的な文化をMIXさせ、『渋谷カルチャー』として全国に発信する役割を担う、進取の気性に富んだ街。『MENSHOグループ』も、これまで、種々の局面において、パイオニアとして様々な試みを繰り広げてきました。そんな同グループが渋谷とタッグを組むことで、ラーメン文化を新たなステージへと押し上げることができれば」。

 この発言を聞くに、今般の、渋谷カルチャーをけん引する「渋谷PARCO」と『MENSHO』との出逢いは、時代が生んだ必然であると言えよう。

 現在、同店が提供しているのは、「牛とろシビレ担担麺」をはじめ、我が国が誇る食材「和牛」を駆使したラーメン群。

「試作を重ねる中で、和牛特有の上品な甘み・旨みと、唐辛子・山椒の辛みとの相性が抜群に良いことに気付きまして。『Jikasei MENSHO』のラーメンは、和牛を主役に据えた担々麺にしようと決めました」(庄野氏・以下同)

山椒をはじめとした幾層にも重なる重厚なスパイスの香りが際立つコクのあるスープ
山椒をはじめとした幾層にも重なる重厚なスパイスの香りが際立つコクのあるスープ

 確かに、担担麺のスープはコクとパンチを兼ね備えており、食べ手を選ばない。人種・性別・年齢を問わず、多種多様な人たちが集まる渋谷で提供するラーメンとして、「担担麺」は最適解だ。このような想いが丼の中に凝縮した1杯なのだから、味へのこだわりも並大抵のものではない。

 スープをひと口啜ろうと丼を持ち上げた刹那、牛の芳醇な香りがふわりと宙を舞い、牧場にそよぐそよ風のように、鼻腔を心地良くくすぐる。丼に唇を接触させ、スープを口内へと注ぎ込めば、野趣味豊かで骨太な和牛の旨みに味蕾が感応。味覚中枢を歓喜で打ち震わせる。そんな和牛とコンビを組むのが、「アーモンドミルク」。まろやかでコク深い「アーモンドミルク」が、牛の風味を更に膨らませるべく、絶妙にアシストしている。構成の一つひとつに、必ず「セオリー」がある。当代随一の創作ラーメンづくりの名手・庄野氏の顔が随所で垣間見える、会心の仕上がりだ。

「和牛の魅力を活かし切る。そのことを座右の銘に掲げて商品化に挑みましたが、特に、牛ゲンコツ・香味野菜と醤油との味のバランスの調整には苦労しました。何とか乗り切ることができましたが(笑)。もちろん、農家の食材をそのまま丼にお届けする『Farm to Bowl』の精神は、この店でも健在。安心して召し上がっていただける健康的な1杯に仕上がってますよ」

 スープだけではない。合わせる麺にも、庄野代表ならではの創意工夫が光る。「麺には、スーパーフードである『キヌア』(※)を練り込みました」。噛む度に舌上で弾ける上質な甘み、プチっと心地良い食感に、しばし忘我の境地に陥ってしまった。

 私が訪問した時にも、店内は、普段ラーメンとはあまり縁がないだろうと思しきオシャレな若者や外国人客で賑わいを見せていた。「日本のラーメン文化を、全世界へと発信していきたい」。そんな庄野代表の夢が現実のものとなろうとしている。そんなことを考えながら、ゴクリとスープを飲み干した。

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(※)キヌアとは?
南米産の穀物。上質なたんぱく質、食物繊維、ミネラル等の栄養素を大量に含んでいることから、スーパーフードと呼ばれている。

●SHOP INFO

Jikasei MENSHO渋谷PARCO店 外観

店名:Jikasei MENSHO渋谷PARCO店

住:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ PART1
TEL: 03-3464-5111
営:11:00~23:30
休:渋谷パルコに準ずる

●著者プロフィール

田中一明

フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。