ラーメン官僚が激推し! 新橋『麺屋 周郷』の「つけ麺」が旨すぎる

ラーメン官僚が激推し! 新橋『麺屋 周郷』の「つけ麺」が旨すぎる
食楽web

 2010年代以降、着実に店舗数を増やし、今や都内でも屈指のラーメン激戦区として認知されるに至った新橋エリア。新橋は、ご承知のとおり数多くのオフィスビルや商業ビルが建ち並ぶ、巨大ビジネス街。隣接する銀座・有楽町・虎ノ門・内幸町等で働く人たちも含めれば、これらのエリアを平日の生活拠点とするビジネスマン人口は膨大な数に上ります。

 ビジネス街には、主にそこで勤務する人々の「胃袋」としての役割を担う飲食店が多数存在するのが常。とりわけ新橋エリアは、地域の商店会の尽力も相まって、新橋駅を中心に、戦後間もなくから闇市を出発点として安くて美味しい飲食店が建ち並び、一大マーケットを形成。サラリーマンの食の聖地として全国的にも名を馳せる、日本の飲食店街のロールモデル的存在のひとつとなっています。

 2021年6月18日、そんな新橋の地に一軒のラーメン店がオープンしました。それが、今回ご紹介する『麺屋 周郷(めんや すごう)』です。同店は、京成小岩の実力店『麺屋 寿』の移転リニューアル。私も今から約3年前に『寿』を訪問しつけ麺をいただきましたが、その時に感じたスープの甘みと出汁感のバランスの妙や、カエシの風味の質の良さが、いまだに好印象として記憶に焼きついていたところ。

 加えて、私に先んじて『周郷』を訪れた複数のラーメン好きからの感想も、手放しの高評価に近いものばかりで、オープンから日が経つにつれて、期待値が右肩上がりに上昇。店舗のロケーションが、新橋駅烏森口から徒歩2分程度というアクセスの良さにも後押しされ、空き時間を見付けて足を運んできた次第です。

店の目印は黒文字で『麺屋周郷』の店名が刻まれた表札。シンプルで洗練された日本料理店のような外観から、作り手のセンスの良さが漂います
店の目印は黒文字で『麺屋周郷』の店名が刻まれた表札。シンプルで洗練された日本料理店のような外観から、作り手のセンスの良さが漂います

 ちなみに『周郷』の物件は『酒蔵かっぱ』の跡地。固定ファンもいる人気の居酒屋だったようです。コロナ禍以前は、限られたエリア内におびただしい数の飲食店がひしめく都市部に限って言えば、前店舗がラーメン店でない物件に、ラーメン店が新規入店するケースは、減少の一途を辿っていました。

 ラーメン店は、飲食店の中で最も新陳代謝が激しいジャンルのひとつであり、新たにラーメン店を開業すべく物件を探そうとすれば、その物件は、自ずと閉店した(または閉店しようとしている)ラーメン店になってしまうからです。

 が、コロナ禍に伴う緊急事態宣言の発令等によって、夜間営業や店内での酒類の提供が制限されると、状況は一変。ラーメン店は、酒を出さなくても昼夜を問わず安定的に営業可能な業態として、改めて他ジャンルの飲食業からの注目を集め始めました。

 あまり意識はされていませんが、新たにオープンするラーメン店の数が、コロナ禍であるにもかかわらず、当初予想されたほど伸び悩んではいないのは、上記の理由に加え、「客単価は低いが回転は極めて早い」というラーメン店ならではの強みによるものではないかと思います。閑話休題。