ラーメン官僚もハマる、東京・池袋『六感堂』の男ウケ抜群の「中華そば」とは?

ラーメン官僚もハマる、東京・池袋『六感堂』の男ウケ抜群の「中華そば」とは?
食楽web

1号店とは真逆のコンセプトを掲げ、新境地に挑む気鋭店

 動物系不使用のスープに、ユーグレナ(ミドリムシの学名)を配合した麺を合わせたコンテンポラリーな塩淡麗ラーメン。そんな他に類例を見ない趣向を凝らした1杯を引っ提げ、2014年4月のオープン以来、女性客を中心に高い人気を獲得し続けている『麺屋六感堂』。そんな『六感堂』が、2019年3月30日、待望の2号店をオープンさせた。

 それが、今回ご紹介する『中華そば六感堂』だ。1号店の屋号が『麺屋~』で、場所は池袋東口。2号店の屋号が『中華そば~』で、場所は池袋西口。好対照な両店だが、コントラストを成しているのは、屋号や場所だけではない。

「中華そば(白)」手もみ麺680円
「中華そば(白)」手もみ麺680円

「1号店は『塩』が推しメニューで、洗練された1杯を相対的に高い価格で販売しています。なので、今回開業した『中華そば六感堂』では『醤油』を看板メニューとし、昔ながらの中華そばを比較的安価で提供することにしました。1号店は女性客がターゲット、2号店は男性客がターゲットという点においても、両店は対照的なんですよ」。言うなれば、1号店とは真逆のコンセプトの店。それが、この『中華そば六感堂』なのだ。

 現在、同店が提供するのは、醤油ベースの「中華そば」。「黒」と「白」の2種類を作り分け、客の訪れを待つ。

店主の高山さん
店主の高山さん

「2号店の場所は、池袋駅から若干の距離があります。距離があることは、ラーメン店にとって不利な要素だと捉えられがちですが、私はそうは考えていません。ちょうど、商業地域と住宅地域が混在するエリアですので、そんなエリア特性を強みへと転化させ、地域に寄り添い、地域の方々から愛される店を目指していければと思っています」。

 誠に頼もしい発言だが、手掛けた1杯を口にすれば、その言葉が誇張では全くないことが、まざまざと実感できる。

「黒」のスープは、鶏ガラ・丸鶏・豚ガラを丁寧に炊き込んだ出汁に、たまり醤油ベースのタレを合わせたもの。「白」のスープは、「黒」の出汁に同量の煮干出汁をブレンドし、焼豚を作るときに生じるタレを合わせたもの。
 味の方向性こそ双方で全く異なるが、いずれのスープも、月日の経過に耐えられる軽佻浮薄とは無縁の味わい。

 中でも特にオススメしたいのが「中華そば(白)」。麺は「細麺」と「手揉み麺」のいずれかから選択できるが、まずは「手揉み麺」を指名してもらいたい(※)。

 水分をタップリと含んだ多加水極太麺は、手揉みによって生まれた強烈な縮れも相まって、メリハリのあるドラマチックな食感を付与。スープと共に丼に注ぎ込まれるラード油の香味や、気球のように膨らむ焼豚タレの上質な甘みも的確無比に絡め取る、「このスープにしてこの麺あり」の逸品。

 スープを飲み干す頃には「『六感堂』は、ニューウェーブ系ラーメンだけが守備範囲ではない」ことを痛感させられるに違いない。
 これから同店は、どのような進化を遂げていくのか。個人的に楽しみで仕方がない新進気鋭店だ。

・・・・・・・

(※)胃袋に余裕があればであるが、+120円で「皮ワンタン」をトッピングするのも、オススメの食べ方。
「皮ワンタン」とは、餡のない皮だけのワンタンであり、昔ながらの老舗でしばしば提供されている商品。「皮ワンタン」で麺を包みながらいただくと、小麦on小麦の二重奏が楽しめる。

●SHOP INFO

六感堂

店名:中華そば六感堂(ちゅうかそばろっかんどう)

住:東京都豊島区池袋2-23-5 サンフェニックス山田 101
TEL:03-6912-6009
営:11:30~15:00、18:00~22:00
休:なし

●著者プロフィール

田中一明

フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。