亀有に誕生した中華そば『ののくら』の“手打式超多加水麺”が旨すぎる!

亀有に誕生した中華そば『ののくら』の“手打式超多加水麺”が旨すぎる!
特製中華そば(醤油)980円 | 食楽web

実力店『九段斑鳩』出身。スープ、麺ともに一切の妥協なき研鑽の結晶!

 都内でも屈指のラーメン激戦区として知られる、亀有エリア。JR亀有駅から3分程度歩けば『つけ麺道』。こちらは、言わずと知れた全国レベルの名店だ。『つけ麺道』以外にも、『中華そば敦』『麺たいせい』『らーめん銀杏』など、店舗の場所が亀有でさえなければ、地域のトップに君臨できそうな実力店がひしめき、激烈な生存競争を繰り広げている。

 2017年12月、そんな亀有エリアに新たな店舗が誕生した。それが、今回ご紹介する『手打式 超多加水麺 ののくら』だ。店主・白岩氏は、約7年にわたって都内を代表する実力店『九段斑鳩』(※)で腕を磨き、満を持して独立。「屋号は娘の名前(ののか)と自分の名前(くらと)から命名しました。大切な店だから、この世で唯ひとつの名前にしたかったんです」と言う。

店主・白岩蔵人さん
店主・白岩蔵人さん

 店主のラーメンづくりに対する姿勢は、極めて真摯だ。「『ののくら』は個人店です。なので、個人店ならではのハンドメイド感や個性を表現していきたい。スープ、麺はもちろんトッピングに至るまで、絶対に疎かにせず、今の自分の全力を注ぎ込んでいます」。

ワンタン中華そば(塩)900円。肉ワンタンと皮ワンタンが入る
ワンタン中華そば(塩)900円。肉ワンタンと皮ワンタンが入る

 現在、同店が提供するメニューは「中華そば」の「塩」「醤油」と、そのバリエーションのみ。スープは、老鶏の丸鶏、鶏ガラに鶏肉を大量に追って投入して取った出汁と、4種類の煮干し、うるめ節、鰹厚削り、昆布などから取った魚介出汁をブレンド。「塩」には、カドが取れた口当たり円やかな塩ダレを用い、出汁の存在を高らかにフィーチャー。他方、「醤油」は、生揚げ醤油に本味醂の甘みを寄り添わせた主張の強いタレを用い、出汁とダイナミックに拮抗させる。「醤油は、中高年が多い亀有という土地柄に合わせ、世代を問わないオーソドックスな味を目指しました。生姜をやや利かせたのも、昔ながらのラーメンに親しんできた方々にも喜んでもらいたいからです」。数多くのラーメンと接してきたマニアでさえ、驚嘆するほどのこだわりようだ。

店内に設置された製麺室で、毎日麺が打たれている
店内に設置された製麺室で、毎日麺が打たれている

 そんなラーメンに対するストイックな姿勢は、麺にも貫徹される。「うどんのようにツルンと滑らかな麺肌と、噛むと顎を押し返すようなモッチリとした食感。両方の特徴を併せ持つ麺を作ろうと、研究に研究を重ねました」と笑う。試行錯誤の結果、強力粉を巧みに活用することで、53〜57%の加水率を誇る超多加水麺を実現。「小麦本来の薫りをお客さまに味わってもらいたくて、必ず打ち立ての麺を使うようにしています」。

やみつきになりそうな、つるつるもっちり食感の超多加水麺
やみつきになりそうな、つるつるもっちり食感の超多加水麺

 実力店で修業し、屋号に自身と最愛の子の名を冠した店主の矜持が、随所に垣間見える至高の「中華そば」。食べ初めから食べ終わりまで、提供された1杯から「新店だから多少の粗さがあっても許されるだろう」などといった甘えを見出す余地はなかった。

(撮影◎田中章雅)

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(※)『九段斑鳩』は、2000年4月に九段下で創業した名店。『斑鳩』の登場は、都内ラーメンシーンにおける濃厚豚骨魚介ブームの引き金のひとつとなった。長年の間、九段に本店を構えていたが、2015年5月、建物老朽化のために閉店。2016年4月、市ヶ谷の地に移転リニューアルを果たした。オープンしてから約18年が経過した現在もなお、店の前に並ぶ行列が途切れない人気店。

●SHOP INFO

手打式 超多加水麺 ののくら

店名:手打式 超多加水麺 ののくら

住:東京都葛飾区亀有3-11-11 マーベラス大協ビル1F
TEL:03-6240-7993
営:11:30~14:00 18:30~21:00
  日曜 11:30~16:30
休:月・火
中華そば(塩・醤油)750円、特製中華そば(塩・醤油)980円

●著者プロフィール

田中一明

フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。現在までの通算杯数は8,000杯を超える。