煮干し&背脂&生姜の三位一体を実現した『初代 にぼ助』の「にぼ助らーめん」が旨い理由とは?

煮干し&背脂&生姜の三位一体を実現した『初代 にぼ助』の「にぼ助らーめん」が旨い理由とは?
食楽web

ロケーションは御茶ノ水駅から徒歩2分!得意の煮干しで激戦区に殴り込み

 2018年12月11日、各線御茶ノ水駅聖橋口からほど近い細い路地沿いに、待望の新店が誕生した。その店の屋号は『厳選煮干しらーめん初代にぼ助』。目白と田端に2店舗を擁する人気店『自家製熟成麺吉岡』の店主・吉岡氏の実兄が経営する企業が、満を持して世に送り出すラーメン専門店だ。

「にぼ助らーめん」800円
「にぼ助らーめん」800円

 店名が示すとおり、同店が提供するのは「煮干しラーメン」。手掛けるラーメンのコンセプトを堂々と明示する直球型の屋号から、『吉岡』での研鑽によって獲得した成果に対する揺るぎない自信が垣間見える。

 2019年1月現在、基本メニュー「魚介らーめん」、メニュー名に屋号を冠した背脂煮干系の看板メニュー「にぼ助らーめん」、ガツンと味覚に訴求する濃厚系の「魚介つけ麺」の3種の麺メニュー及びそのバリエーションを用意。

店主である吉岡氏の弟の宏純(ひろずみ)さん
店主である吉岡氏の弟の宏純(ひろずみ)さん

「お客さんの味の好みは十人十色です。当店では、できるだけ多くの食べ手にご満足いただけるよう、載せものだけを変えるといった小手先のテクニックに走らず、ラーメンの土台となるスープからメニューごとに作り分けています。『にぼ助らーめん』は、鶏・豚を煮込む時間や投入する煮干しの分量を適度な塩梅へと抑え、好みを問わないスタンダードな味わいに。他方、『魚介らーめん』は、豚骨を20時間以上炊き上げ圧倒的な分量の煮干しを加えること等により、若年層の味覚に強く訴えかける構成としました。さらに、チャーシューにもこだわり、65度の低温調理で8時間かけて作るレアチャーシューと、じっくりと5時間かけて煮込んだとろける豚バラチャーシューの2種類を用意しています。確かに労力はそれなりに掛かりますが、このひと手間でお客さんが喜ぶのであれば、全く苦にはなりません」と、胸を張る。

 このような力作ぞろいの品々の中でも、特に『にぼ助』が「これはオススメ!」と太鼓判を押すのが「にぼ助らーめん(※)」だ。
「このラーメンのコンセプトは、麺王国・新潟が誇る有名ご当地麺のひとつ『背脂煮干醤油ラーメン』の進化形です。もちろん、現地の味を忠実に再現するのではなく、濃厚系を好む学生等が多い『御茶ノ水』という土地柄に合わせ、『プラスα』のアレンジは加えていますけどね」。確かに、スープを丹念に吟味すれば、豚の重厚なうま味と煮干しの雄々しい香りとを繋ぐ「たすき」として、鶏ガラ・モミジ・昆布等の素材群が獅子奮迅の働きを演じていることが、まざまざと実感できた。

 それだけではない。清冽な香りが印象深い「生姜」を更に足し合わせることで、新潟県の別のご当地麺である『長岡生姜醤油ラーメン』のニュアンスをもサラリと演出。何らの違和感もなく、ご当地&ご当地のマリアージュ、煮干し&背脂&生姜の三位一体を実現する手腕は「流石」のひと言だ。

「魚介らーめん」800円
「魚介らーめん」800円

「この店で味のブラッシュアップを積み重ね、ゆくゆくは、様々なエリアで店舗を展開させていきたいですね」。
 そう語る店主の眼差しのようにまっすぐな味わいが、じわりと好印象を刻みゆく1杯。是非足を運び、心ゆくまで舌鼓を打っていただきたい。

・・・・・・・

(※)オープンしてからしばらくの間は「季節限定らーめん」というメニュー名で提供され、時季によってラーメンの内容を変える予定だったが、作り手の予想を遙かに上回る好評を博したため、今般、メニュー名を屋号を冠した「にぼ助らーめん」へと変更。レギュラーメニュー化された。

●SHOP INFO

厳選煮干しらーめん初代にぼ助

店名:厳選煮干しらーめん初代にぼ助

住:東京都千代田区神田駿河台2-10-6 御茶ノ水Sビル 1F
TEL:03-5244-5499
営:11:00~23:00、日・祝11:00~15:00
休:なし

●著者プロフィール

田中一明

フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。現在までの通算杯数は8,000杯を超える。