立川駅と奥多摩駅のおよそ37kmを結ぶJR青梅線。立川駅から青梅駅までの区間は、東京23区や多摩地区への通勤・通学の用に供される郊外型路線との位置付けが強い同路線ですが、青梅駅から奥多摩駅までの区間は、それとはガラリと趣を変え、観光地へと向かうための交通手段となります。
今回ご紹介する『RamenFeeL』の最寄りとなる日向和田駅も、駅舎の周りを木々の緑が取り囲む、いかにも郊外駅といった趣。普段、都心部に生活拠点を置いていると「ここは本当に東京都内なのか」と、驚かれる方も少なくないのではないでしょう。
さて、ここまでに紹介した情報だけでも、少なくともラーメン好きであれば、『FeeL』に尋常ならざる関心を抱かれたのではないかと思います。青梅駅より西に注目店がオープンすることなど、少なくとも私が知る限り皆無でしたから。そして同店が注目店とされている理由は、それだけではありません。
なんと、この『FeeL』。店主・渡邊大介氏の修業先が、あの名店『らぁ麺飯田商店』なのです! 『飯田商店』と言えば、神奈川県湯河原に店舗を構える淡麗ラーメンの実力店で、2021年現在、日本で最もレベルが高い1杯とまで言われる、レジェンド中のレジェンド。そんなレジェンドの下で研鑽を重ね、一番弟子として独立を許された渡邊店主が紡ぐラーメンは、どれほどのものなのか。
同様の理由で『FeeL』に興味を抱くラーメン好きは数多くいる、というか、これだけの条件が揃えば、むしろ興味を抱かずにいる方が難しいと言えます。
その証拠に、同店は、オープン日(2021年2月28日)から現在に至るまで、店側が配る「ファストパス(整理券)」を求めて早朝6時から客が殺到し、開店前には「整理券」が完売してしまうという時もあるそうで、その驚異的な盛況ぶりを呈しています。
もちろん営業時間中(11時~16時)に同店にアクセスしても、ラーメンを食べることはできますが、長時間並ばなくても開店前のファストパスを取得することで、予定を組みながら行動する事ができるのでおすすめです。
長々と書きましたが、私も、そんな話題店をスルーするスキルは持ち合わせていません。売り切れの憂き目に遭わないよう起床時間を調整するなど万全の対策を講じ、今般、足を運んできました。
「漆喰の塗装は、修業先のスタッフに協力を仰ぎました。店内の家具やカウンターは、義父のハンドメイドです」と渡邉店主。ラーメンの味のみならず、来店から退店まで、トータルで訪れる人に上質な時間を提供したいという店主のもてなしの気持ちが、随所から垣間見えます。