ラーメン官僚が激推し! 都内最高峰の和歌山ラーメンは『まる岡』(亀有)の「ネギラーメン」である

ラーメン官僚が激推し! 都内最高峰の和歌山ラーメンは『まる岡』(亀有)の「ネギラーメン」である
食楽web

味わいは、本場・和歌山の名店『まるイ』仕込み。九条ネギの薫り高き絶品!

 都内でも指折りのラーメン激戦エリアとして名高い葛飾区亀有。本年4月25日、そんな亀有の地に1軒のニューフェイスが産声を上げた。

 それが、今回ご紹介する『和歌山ラーメンまる岡』だ。ロケーションは、JR亀有駅北口から徒歩3分程度。駅前から続く賑やかな飲食店街が閑静な住宅地へと変遷する「境界線」の近傍に店舗を構え、客の訪問を待つ。

 白地の屋根に映える、屋号『まる岡』の黒文字。字体が特徴的であることも相まって、牽引力は十分。其処にラーメン店があることを知らずに通り掛かったとしても、つい注視してしまうだけの引きの強さがある。

「定番ネギラーメン」880円
「定番ネギラーメン」880円

 ガラリと引き戸を開けば、そこはかとなく「和」の情緒が漂う清潔感のある店内が視界へと飛び込んでくる。現在、同店が提供する麺メニューは「定番ネギラーメン」「ネギなしラーメン」「ピリ辛ラーメン」の3種類。店主・東田氏が腕を磨いた本場・和歌山県の実力店『和歌山ラーメンまるイ』(※)と同様のラインナップだ。

店主の東田さん
店主の東田さん

「この『まる岡』のオーナー会社の社長がラーメン好きで、中でも『和歌山ラーメン』が大のお気に入り。私(東田店主)は元々、その社長の下で働いていたんですが、『本場・和歌山で和歌山ラーメンの作り方をマスターしてきてほしい』という社長の号令一下、和歌山の地へと飛んだ。それが、私が和歌山ラーメンに関わったキッカケです」。

 その際、社長が「ぜひ、社員である東田氏を置いてほしい」と掛け合ったのが『まるイ』の店主。「社長が仕事で和歌山に立ち寄る際、特にお気に入りで頻繁に足を運んでいたお店が『まるイ』でした。『まるイ』の店主は、私を快く厨房に招き、ラーメンづくりのノウハウを懇切丁寧に指導して下さいました。どれだけ感謝の意を表しても足りないくらいです」。

 看板メニューは、修業元と同じくネギラーメン(メニュー名:「定番ネギラーメン」)。九条ネギの一種で契約農家から直送された『緑宝黒葱』を、スープが隠れて見えなくなるほど盛り付けた独特の構成は、数ある本場の「和歌山ラーメン」の中でも際立って異色。目にした者を捉えて放さない印象的な容姿は、食べ手に鮮烈な記憶を刻み込むのに十分だ。

 ビジュアルだけではない。ラーメンの味の「要(かなめ)」となるスープや麺も、誕生したばかりの新店とは思えないほどのクオリティの高さを誇る。

 国産豚骨を丸2日間かけて炊き込んだスープは、ザラリとした骨粉の触感を排除すべく徹底的に漉(こ)すことで、クリームのように滑らかな口当たりとマリアナ海溝のように奥深いコクを見事に両立。

 スープに合わせる麺も、「このスープの持ち味が最大限活かされるものを」と、数え切れないほどの試行錯誤を繰り返して創り上げた自家製。

 光を反射する鏡面のように艶やかに光る麺肌が、フルボディのスープを余すところなく拾い上げ、口元へと運び込む。飲み干し際、心地良い余韻を生む甘辛いカエシも、食べ手に多幸感をもたらす役割を全う。

 気が付けば、丼が空っぽになっていた。この1杯、2019年現在の都内において最高峰に位置する和歌山ラーメンであることに、疑問を差し挟む余地はない。

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(※)『まるイ』とは?

和歌山市内に2店舗(中之島店、十二番丁店)を構える、ご当地麺「和歌山ラーメン」の実力店。本店である『中之島店』は、深夜(平日:26:00、土曜日:27:00)まで営業しており、和歌山市内で飲んだ後の「締めの1杯」として、大いに活用されている。

●SHOP INFO

和歌山ラーメンまる岡(わかやまらーめんまるおか)

店名:和歌山ラーメンまる岡(わかやまらーめんまるおか)

住:東京都葛飾区亀有5-20-14
TEL:03-5856-3358
営:11:00~21:00
休:水曜

●著者プロフィール

田中一明

フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。