2022年最大級のエース級店舗。素材の魅力を重ねた異次元の1杯|『麺ふじさき』(亀戸)

船橋を中心に複数の店舗を展開する『まるはグループ』、東海神のビッグネームである『中華そばとものもと』など、錚々たる千葉の実力店で修業を重ねた腕利きラーメン職人・藤崎みづき店主が腕を振るう同店。

現在、提供するのは、「醤油らぁめん」と「塩らぁめん」の2種類。ちなみに「つけめん」も早晩提供予定とのこと。初訪問時に食べていただきたいのは、同店の看板商品として開業当初から提供されている「醤油らぁめん」だ。
ラーメン実食経験豊かな者であれば、たちどころに類稀なほど完成度が高いと確信できる、新店離れした優美なビジュアル。中でも、とりわけ美しいのがスープの色合いだ。「スープの中に引き込まれるのではないか」という錯覚を覚えてしまいそうになるほど深みのある褐色を呈する。

「名古屋コーチン」「黒さつま鶏黒王」「奥久慈シャモ」と、不純物を徹底的にろ過した「RO水」から創り上げたスープは、ひと口すすれば、複数の鶏種のうま味とコクが、味蕾を起点に同心円状に拡散して口内を占拠。鶏の上質な風味を大樹の幹のように支える醤油のフローラルな香りも、食べ手を桃源郷の境地へと誘う。

スープが舌に触れるたびに、圧を伴いながらグイグイ迫る地鶏の羽音と、口内で勢い良く渦を巻くカエシの風味。終盤まで右肩上がりに増幅し続けるスープのうま味から、店主のラーメンに懸ける想いの強さが垣間見える。