武蔵小山のにぎやかなアーケード街と線路をはさんで反対側。閑静な住宅街にあるにも関わらず、連日予約客で席が埋まる人気の焼き鳥専門店がこの場所にはあります。
私がこのお店を始めて知るきっかけになったのは、サイドメニューとして提供されるラーメンの存在。今から10年も前になるでしょうか。知り合いのブログで見た、なんとも言えないノスタルジーなビジュアルに感銘を受けたのを覚えています。今回はそのこだわりのラーメンと人気の焼き鳥についてご紹介させていただきます。
サイドメニューの枠を超越した本気すぎる醤油ラーメン
店主児玉氏のラーメン好きが高じて提供を始めた醤油ラーメン。「ラーメンの鬼」として業界を牽引した故佐野実氏（横浜「支那そばや」店主）のラーメンに出会い方向性の定まった一杯は、佐野氏のラーメン同様鶏の風味が滲み出る芳醇なスープ。鶏ガラに手羽先を加え、煮立たせないようじっくりと仕上げた透明感のあるスープは、コラーゲンが豊富で女性にもオススメの仕様です。
味の決め手として輪郭を整えるのは醤油の本場和歌山から取り寄せる『野尻醤油』の生醤油。お店で仕入れてから加熱処理を行うというこだわりようで、麺を持ち上げるたびに鼻腔を抜ける醤油の香りにえも言われぬ快感を覚えます。
そしてさらに特筆すべきは麺。『支那そばや麺工房』から仕入れる特製麺は、内モンゴル産かん水を使う臭みの抑えられたもので、淡麗スープのこちらのラーメンと相性が抜群。国産小麦を練り上げる心地よい小麦の風味が特徴的で佐野実氏のこだわりが息づくさすがのクオリティです。
焼き鳥はもちろん、卵かけご飯に至るまで全ての料理の完成度の高さに脱帽
「ミシュランガイド東京」に掲載されるなどその実力はお墨付きで、銘柄指定の鶏肉を備長炭で焼き上げたこだわりの焼き鳥はぜひ一度堪能してもらいたい一品です。
焼印が押された味付き玉子は、千葉『豊和養鶏場』のブランド卵「とよんちのたまご」を使用。濃厚でコクがあり、たまごかけご飯としても提供されます。鶏もも肉を焼き上げたオリジナルのチャーシューは、じっくりとタレで味付けされたジューシーな味わい。豚を使わないところに焼き鳥店のこだわりが見えます。
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「ミシュランガイド東京」に掲載される焼き鳥のクオリティもさることながら、それを〆のラーメンにまで落としこむ店主の心意気。佐野実氏との出会いで開眼したラーメン作りは、さらに次の世代に影響を与え連綿と受け継がれること間違いなしです。
●SHOP INFO
店名：まさ吉
住所：東京都目黒区目黒本町5-2-8
電話：03-3792-5216
営業：18:00～LO23:00
定休：日曜、祝日の月曜
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●著者プロフィール
石山勇人
全国2000軒以上のラーメン店を取材し、執筆監修した書籍は20冊以上。年間700杯以上のラーメンを食べた経験もあるラーメン研究家。現在もテレビ出演やラーメン店の企画・プロデュース、週刊誌、ウェブサイトなどにコラムを寄稿したりと多方面で活躍している。また、その知識はラーメンに限らず、肉やスイーツなど食に関するあらゆる面において造詣が深く現在は、ラーメン以外のグルメジャンルへも活躍の場を広げている。
