スープ・カエシ・自家製麺…すべてがパーフェクトな大型新店|『らーめん亭 ひなり竜王』(梅屋敷)

生活の息吹を身近に感じる大田区の下町・梅屋敷。そんな庶民的なエリアに、城南地区屈指の実力店『中華そば和渦TOKYO』の4thブランドとして、オープンしたのが『らーめん亭 ひなり竜王』だ。
店長を務めるのは、我満(がまん)真也氏。同氏は、『和渦グループ』を率いる高橋宏幸店主を師と仰ぎ、苦楽を分かち合ってきた直弟子。高橋店主が考案するラーメンの要諦を知り尽くした作り手だ。

現在、提供されている麺メニューは、「醤油らーめん」「塩らーめん」「つけめん(醤油)」「つけめん(塩)」「まぜそば」の5種類。「醤油」と「塩」から始まり、開店後しばらくして「つけめん」が商品化。最近、さらに「まぜそば」が加わり、現行のラインナップへと落ち着いた。
いずれも各ジャンルの要諦を的確に押さえた逸品ぞろいだが、中でもオススメなのが「醤油らーめん」。

スープは、トッピングに使われている「岩中ポーク」と「信玄鶏」に加え、浜の漁師が手間ひま掛けて干し上げた天然真昆布、香り高い椎茸、甘みと滋味を潤沢に蓄えた香味野菜を、素材ごとに最適なうま味抽出時間を計算しながら炊き上げたもの。まるで体液のように、エキスが身体中の細胞へと沁みわたる滋味の塊だ。
タレ(カエシ)にも一切の妥協はない。店内で火を入れた数種類の木桶仕込みの生揚げ醤油に適量のアサリ出汁を溶け込ませることで、濃密かつ力強いうま味の創出に成功している。

小麦粉の種類・配合から加水率・厚み・太さに至るまで、幾度も試行錯誤を重ねて開発した自家製麺のすすり心地もすこぶる官能的。脱帽するほかないパーフェクトな1杯だ。