
今回ご紹介するのは、2022年の元旦に西新宿にオープンした『麺屋翔 みそ処』。同店は、2005年11月に池袋で創業し、2007年4月に西新宿へと移転。その後、西新宿エリアにおいて、トップクラスの実力店として君臨し続けてきた大橋望店主率いる『麺屋翔』のニューブランドです。
ロケーションは、西新宿駅(東京メトロ丸ノ内線)、新宿西口駅(都営地下鉄大江戸線)の双方から、3分程度歩みを進めたところにある細い路地沿い。『翔本店』と同じ西新宿エリアに店舗を構えていますが、場所は別。完全な独立店舗なので、足を運ばれる際はくれぐれも本店とお間違えなきようご注意を。

今回、大橋店主が『みそ処』で提供する「みそらーめん」は、『翔本店』が水曜限定で提供していた味噌ラーメンをベースに、店主がブラッシュアップを施したもの。
「8年前から本店で提供し続けてきた味噌ラーメンは、ちょっとのことでは折れない私の自信作。西新宿に『翔』を開業してから14年。何度も回り道をしましたが、いま一度原点に立ち返り、2022年は味噌ラーメンの味をさらに研ぎ澄ませる1年にしようと考えたんです」と、大橋氏が『みそ処』開店の抱負を語ってくれました。
今や全国区レベルの実力店としての地位を確立させた感がある『麺屋翔』が、新たに専門店をオープンさせるほど力を傾注する「みそらーめん」。ラーメン好きとしては気にならないはずがなく、早速、足を運んできました。

今回は新宿西口駅からアクセスしましたが、エリア内に一歩入れば、小滝橋通り沿いの喧噪が嘘のような静けさ。歩みを進めると、ラーメン好きならお馴染みの『風来居 新宿店』や『すごい煮干しラーメン凪』が佇む細い路地にぶつかります。その路地のさらに一本先の路地沿いに佇むのが、目的の店舗『麺屋翔みそ処』です。

現在、同店がレギュラーメニューとして提供しているのは、「みそらーめん」「みそつけ麺」「みそ担々麺」の3種類と、そのバリエーション。味噌専門というだけのことはあり、全ての麺メニューに味噌が使用されています。
「複数のメニューを提供することにしたのは、可能な限り食べ手の多様なニーズに応えたいからです。この店のラーメンのコンセプトは、“記憶に残る味噌”。この理想を実現すべく、頑張って味噌の道を究めたいと思っています」(大橋氏・以下同)
今回は初訪問だったので、迷うことなく基本メニューである「みそらーめん」をいただくことにしました。ちなみに、店内は12席のカウンター席のみ。厨房で腕を振るうのは、大橋店主ご本人。本店を含め、計3店舗を擁する大橋氏自らが、ラーメンづくりを一手に引き受けていました。(※)
(※)大橋店主自身がラーメンを作らない場合もあるが、スタッフが育ち店が軌道に乗るまでは、毎日『みそ処』の厨房に立つとのこと。
さすがに料理の手際は鮮やか。とりわけ、モヤシの炒め方は、神業の領域に到達しています。炒めている最中、宙を伝い鼻腔へと届く焦がしモヤシの芳香に、思わずお腹を鳴らしてしまいました。大橋氏の所作に見惚れているうちに、「みそらーめん」が完成。恭しく、眼前に供されます。