普段使いからハレの日使いもOKな調理家電「バーミキュラ ライスポット」の魅力とは?

食材の水分を使った「無水調理」も得意

 炊飯以外の調理の場合、「中火」「弱火」「極弱火」の火加減が選べます。さらに、鍋の内部を30~95℃までの温度でキープする「保温」モードがあるので、炊飯以外の調理にも使えるんです。

 数ある調理方法のなかでも、フタと本体の密閉性が高いからこそ「無水調理」は大得意。今回は付属のレシピブックに出ている「無水ミネストローネ」を作りました。

トマト、玉ねぎ、ズッキーニ、にんじんなどの野菜が手軽にたくさん食べられる「無水ミネストローネ」は、冬場におすすめ。
トマト、玉ねぎ、ズッキーニ、にんじんなどの野菜が手軽にたくさん食べられる「無水ミネストローネ」は、冬場におすすめ。

 作ってみて便利だと思ったのは、最初にポットでにんにくを弱火で炒めるのですが、煮込みだけでなく炒め調理もしっかりできる点です。炒めたあとに野菜やベーコンを加えたら、あとはフタをして弱火で30分放っておくだけ。トマトソースとローリエを追加して10分加熱すれば完成です。

 作りたいメニューを選んでスタートボタンを押すだけの他社の電気調理鍋に比べると若干の手間はかかりますが、そのぶんアレンジがしやすい気がします。鋳物ホーロー鍋を使って卓上コンロで調理している感覚に近く、炊飯と同様、途中で火加減を気にしなくていいことが最大のメリットでしょう。

 完成したミネストローネは、しっかり野菜とベーコンの旨みが出ていて、さすが無水調理です。今回のようにスープを作ってもいいですし、無水カレーや蒸し野菜といった料理も手軽に作れます。

どの野菜もトロトロに煮込まれている。このままで食べるのはもちろん、パスタソースとして使うのもアリ。
どの野菜もトロトロに煮込まれている。このままで食べるのはもちろん、パスタソースとして使うのもアリ。

グリルと低温調理の合わせ技もOK

 バーミキュラ ライスポットには保温モードがあるとお伝えしましたが、この機能が役立つのが「低温調理」です。コンフィや鶏ハム、おでんといった、一定の低温でじっくり素材に熱を通す調理方法が簡単にできます。

 今回はローストビーフを作ってみましたが、これまでにも炊飯器やフライパンで何度となくローストビーフを作ってきた筆者が一番おいしくできたと思うのが、バーミキュラ ライスポットを使ったときです。

ライスポットで表面に焼き目を付ける。これは炒め調理に対応した電気調理鍋だからこそなせるワザだ。
ライスポットで表面に焼き目を付ける。これは炒め調理に対応した電気調理鍋だからこそなせるワザだ。

 炊飯器で作る場合は、肉を密封した袋に入れてお湯を張った内釜に浸けて保温します。しかし、温度調整が上手くできていないと、肉を加熱し過ぎたり、逆に加熱が甘かったりするのが難点。そんな難しさが一切ないのが、バーミキュラ ライスポットの魅力です。

焼き目を付けた後に、ソースと一緒に70℃で60分保温した。ブロック肉の中心まできちんと火が通っている。
焼き目を付けた後に、ソースと一緒に70℃で60分保温した。ブロック肉の中心まできちんと火が通っている。

 とはいえ、圧力調理するわけではないので、“時短調理のための家電”ではありません。調理時間に関しては、ガスコンロを使っているときとほぼ変わらない印象です。時短調理がしたい人には、ほかの電気調理鍋のほうが合っていると思います。また、フタが熱くなることを考えると、小さな子どもがいる家庭では置き場所に注意しなければなりません。

 バーミキュラ ライスポットの価格は7万9,800円(税抜)。調理家電として考えると、ちょっと割高な印象もありますが、ごはんがおいしく炊ける炊飯器が欲しいと思っている人はもちろん、これまで作ったことのない料理に挑戦したいと思っている料理好きにこそおすすめしたい一台です!

●DATA

バーミキュラ ライスポット
http://www.vermicular.jp/products/ricepot

●著者プロフィール

取材・文/今西絢美

編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好き。

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