世界最北端の蒸溜所で造るスコッチ「HIGHLAND PARK」の魅力とは?

炎で仕上げる料理と、ヴァイキングの魂を継いだウイスキーの調和。

和やかな雰囲気に包まれたブッフェスタイルの第二部。この雰囲気を醸成するのもウイスキーの魅力のひとつ
和やかな雰囲気に包まれたブッフェスタイルの第二部。この雰囲気を醸成するのもウイスキーの魅力のひとつ

 続く料理の前に、ここからは趣向を変えてスタンディング形式に。大皿の料理をブッフェスタイルで取り分け、「HIGHLAND PARK」はバーカウンターで好みの飲み方を注文するスタイルです。

(左)炭酸割りや水割りの仕上げに、ハーブなどを追加。加える素材により、「HIGHLAND PARK」は実にさまざまな表情を見せる。(右)ゲストバーテンダーの野村氏。見事な手際で、次々とドリンクを仕上げた
(左)炭酸割りや水割りの仕上げに、ハーブなどを追加。加える素材により、「HIGHLAND PARK」は実にさまざまな表情を見せる。(右)ゲストバーテンダーの野村氏。見事な手際で、次々とドリンクを仕上げた

 カウンターに立つのは、『Maruta』の外山氏と、ゲストバーテンダーである世田谷代田『クォータールーム』の野村空人氏。2人のドリンクのプロフェッショナルが、アレンジを加えてさらなる「HIGHLAND PARK」の魅力を引き出します。12年ならソーダ割り、15年は水割り、18年はロック。そこに自家製の発酵飲料や『Maruta』の庭に茂るハーブを加えて、仕立てるさまざまな味わい。力強い味わいの「HIGHLAND PARK」にハーブの香りが加わって生み出される軽やかさ、奥深さ、まろやかさが、改めてウイスキーの無限の可能性を感じさせます。

(左上)野菜料理は豪快に薪で炙った枝豆。クリームにも薪の香りをまとわせている。(右上)新鮮な鯛に薪の炎で炙った魚料理。引き締まった身にまとう、ほのかな燻香が素晴らしい。(左下)旨みが濃厚な経産牛。表面をクリスピーに焼き上げ、旨みを内部に凝縮するのは、石松シェフの技術の賜物。(右下)ウイスキーで香りをつけるスペシャリテのケーキ。今回は贅沢に『HIGHLAND PARK』を使用
(左上)野菜料理は豪快に薪で炙った枝豆。クリームにも薪の香りをまとわせている。(右上)新鮮な鯛に薪の炎で炙った魚料理。引き締まった身にまとう、ほのかな燻香が素晴らしい。(左下)旨みが濃厚な経産牛。表面をクリスピーに焼き上げ、旨みを内部に凝縮するのは、石松シェフの技術の賜物。(右下)ウイスキーで香りをつけるスペシャリテのケーキ。今回は贅沢に『HIGHLAND PARK』を使用

 合わせるのは石松シェフの真骨頂である薪火料理。薪火で炙った枝豆に、薪の香りをまとわせたクリームを合わせる一品。神経締めの鯛は香草たっぷりのリゾットとともに。焼き茄子とともに味わうスープ、経産牛の熟成感に薪火で香ばしさを加えたステーキ。薪火でカラメリゼした洋酒のケーキは『Maruta』のスペシャリテですが、今日は特別に「HIGHLAND PARK」を使用して香りをつけています。

 薪火という原始的な調理法で仕立てられた野趣あふれる料理と、最北の蒸溜所で生まれたウイスキー。それらが響き合い、混ざり合い、「HIGHLAND PARK」と『Maruta』の料理それぞれに、さらなるポテンシャルを引き出させたのでしょう。

扱いが難しい薪火の熱を自在に操る石松シェフ。オープンキッチンでのシェフの巧みな調理にも注目が集まった
扱いが難しい薪火の熱を自在に操る石松シェフ。オープンキッチンでのシェフの巧みな調理にも注目が集まった

「料理人の使命は、常に新たなことに挑戦し続けること。今回もウイスキーを起点に料理を考案する、という未知への挑戦でした。スモーキーな『HIGHLAND PARK』と薪火料理の相性は想像以上。そのなかで料理とウイスキーそれぞれをどう記憶に残すかを心がけました」と振り返る石松シェフ。

火の通りが柔らかく、燻製のような香りもまとう薪火料理。原始的だが、可能性に満ちた調理法
火の通りが柔らかく、燻製のような香りもまとう薪火料理。原始的だが、可能性に満ちた調理法

「料理との共鳴、そしてハーブを加えた新たな飲み方。『HIGHLAND PARK』は歴史とロマンの酒。200年以上も変わらぬ製法を続けているにも関わらず、今回のように新たな発見があることに驚きました。“ウイスキーはロックで飲むもの”という時代は終わりました。これからは今回のように、より自由に楽しめる酒として広く伝えていきたい」藤井氏もそんな言葉で、今回のイベントを振り返りました。

炎、自然、伝統。さまざまな要素が絡み合い、相乗効果を発揮した『HIGHLAND PARK』と『Maruta』の料理
炎、自然、伝統。さまざまな要素が絡み合い、相乗効果を発揮した『HIGHLAND PARK』と『Maruta』の料理

 時間の経過とともに、賑やかな雰囲気に包まれる会場。背後に薪火が燃えるその様子は、ヴァイキングの伝統である火祭りを彷彿とさせるよう。受け継がれる伝統を守りつつ、新たな挑戦も続ける「HIGHLAND PARK」と、革新を続ける『Maruta』。そんな両者の哲学が響き合い、未知なる魅力へと昇華された稀有なる夜でした。

●SHOP INFO

店名:Maruta

住:東京都調布市深大寺北1-20-1
TEL:042-444-3511
営:ランチ11:30~、ディナー17:30~
休:ランチ土曜・日曜・月曜、ディナー土曜・日曜のみ営業
https://www.maruta.green/