世界最北端の蒸溜所で造るスコッチ「HIGHLAND PARK」の魅力とは?

まずはテイスティングで、シングルモルト本来の味と香りを堪能。

左から12年、15年、18年。じっくりと向き合うことで味や香りはもちろん、色味や粘度の違いも見えてきた
左から12年、15年、18年。じっくりと向き合うことで味や香りはもちろん、色味や粘度の違いも見えてきた

 さて、いよいよ幕を開けたスペシャルディナー。ウイスキーと薪火料理のペアリングへの期待が高まりますが、その前にまずはテイスティングでシングルモルト・スコッチウイスキーそのものの味を確かめます。

ブランドマネージャーの藤井氏。地理や歴史、製法など、「HIGHLAND PARK」のあらゆる情報を知る人物
ブランドマネージャーの藤井氏。地理や歴史、製法など、「HIGHLAND PARK」のあらゆる情報を知る人物

 ゲストの前に用意されたのは、「HIGHLAND PARK」12年、15年、18年の3種のヴィンテージ。それぞれの特長を、ブランドマネージャーである藤井氏が解説します。グラスを掲げて色を見て、鼻を近づけて香りを感じ、そして口に含んで味と余韻を確かめる。そうして正面からしっかりと向き合うことで、改めて「HIGHLAND PARK」の魅力が見えてきます。

「自由に楽しむ、という前提ですが」と前置きしつつ藤井氏がプロのテイスティング方法もレクチャー。ウイスキーの楽しみ方の幅を広げてくれた。香りの中から柑橘やバニラなどの要素を感じとると、ウイスキーはいっそう味わい深くなる。ただし度数が高いため、鼻の近づけ過ぎに注意
「自由に楽しむ、という前提ですが」と前置きしつつ藤井氏がプロのテイスティング方法もレクチャー。ウイスキーの楽しみ方の幅を広げてくれた。香りの中から柑橘やバニラなどの要素を感じとると、ウイスキーはいっそう味わい深くなる。ただし度数が高いため、鼻の近づけ過ぎに注意

 力強いのに角のない味わい、ほのかにスモーキーな独特のピート香、ハチミツを思わせる柔らかな甘み。それぞれのヴィンテージによる個性も、藤井氏の言葉とともに実感を伴って染み込みます。厳しい自然環境と悠久の歴史が作り上げた、唯一無二のフレーバー。その独自性は、勇敢に挑み続け積み重ねた伝統の証。そんな重厚な物語を身近に感じられた瞬間でした。

それぞれのヴィンテージに合わせた3種のフィンガーフード。香りを起点に、ウイスキーの個性を引き出した
それぞれのヴィンテージに合わせた3種のフィンガーフード。香りを起点に、ウイスキーの個性を引き出した

 続いてはいよいよ料理の登場です。『Maruta』のシェフ・石松一樹氏とマネージャー・外山博之氏が最初に用意したのは、12年、15年、18年の「HIGHLAND PARK」それぞれに合わせるフィンガーフードでした。

「HIGHLAND PARKのストーリーとMarutaの料理に高い親和性を感じた」というマネージャーの外山氏
「HIGHLAND PARKのストーリーとMarutaの料理に高い親和性を感じた」というマネージャーの外山氏

 香りを起点にしたペアリングに定評がある外山氏の今回の狙いは、ウイスキーの香りにクローズアップすること。12年のオレンジのような軽やかさには、香草を加えた干し柿で作ったサラミ、15年にはパイナップルのような甘みにはイチゴのアイスクリーム、18年はナッツやチョコレートを思わせる風味と熟成感には牛脂のクッキー。調和するのではなく、ウイスキーの個性を伸ばすことを意識した素晴らしいペアリングでした。

テイスティングから静かに幕を開けたイベントは、時間の経過とともに徐々に和やかな雰囲気に
テイスティングから静かに幕を開けたイベントは、時間の経過とともに徐々に和やかな雰囲気に