分厚い“牛タン”がシャリの上に!? 元鮨職人が作る仰天“スパイスカレー”

欲張りな2種盛りカレーも見逃せない

「ダブルカレー」950円
「ダブルカレー」950円

 続いていただいたのは、キーマとカレーソースの両方が味わえる「ダブルカレー」。こちらは牛と鶏の挽肉のキーマで、ホールごと使ったスパイスがガツンとくるが、カレーソースとは違って苦味はなく、玉ねぎの甘みが強い。苦味の黒カレーと、甘味のキーマのコントラストが楽しい。

「2つの違う味をそれぞれ食べた後、混ぜて召し上がっていただくと、スパイスの複雑さが増して面白い味になります。あとはトッピングでチーズや温玉を入れて召し上がる方もいて、いい具合にマイルドになるようです」

チーズや温玉(共に100円)などをトッピングする人も多い
チーズや温玉(共に100円)などをトッピングする人も多い

 確かにそれも美味しそうで追加したいところだが、食べてばかりではなく、そろそろ、なぜ寿司屋からカレー屋になったかを聞かなくては。

「鮨屋をやっていた時、ネタは天然モノ、シャリは赤酢などにこだわっていました。やはり、食を提供するなら、“美味しくて体にいいもの”を召し上がって欲しいと思っていたので。ただ、鮨屋というのはどうしても敷居が高いので、その思いが広くは伝わらないなと思ったんです。そんな時、自分の大好きなカレーなら、スパイスを薬膳という角度で捉えて、お安い値段で、広くお客さんに召し上がってもらえると思ったんです」

 確かに、使っている食材は、肉もお米も職人の目利きを生かした厳選されたものばかり。仕込みにも丁寧な仕事を感じる。そういえば、カレーを食べていると、先ほどから体がポカポカしてきていたが、これは薬膳効果?

「そうですね。今もスパイスを勉強しながら、体にどういいのかを意識して作っています」

 カウンター越しにカレーの話が弾む。そのうち、新鮮な魚介のネタが載った真っ黒なカレーも登場するかも、と増田さんが言っていた。イカスミだろうか。ネタケースも復活させたりして! なんて面白い話しが出てくる。増田さんの「大人のカレー」を味わいながら、次のアイデアを聞いてみてはいかが?

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

スパイスカレー とくじろう

店名:スパイスカレー とくじろう

住:東京都文京区千駄木2-47-10
TEL:03-6338-8373
営:11:30~14:30 18:00~21:00
休:火