日本最古のビヤホール『銀座ライオン』で頼むべき絶品おつまみとは?

ビヤホールの歴史とともに育まれたおつまみたち

試行錯誤を重ねて完成した自慢の逸品「ビヤホールの煮込み」1188円(税込)
試行錯誤を重ねて完成した自慢の逸品「ビヤホールの煮込み」1188円(税込)

 ここまでが日本におけるビヤホールの変遷、『銀座ライオン』のビールの味のこだわりですが、ここからは本題となる『銀座ライオン』のおつまみにフォーカスしていきます。

『銀座ライオン』では、おつまみを複数展開していますが、いずれも「ビールに合う」ことを前提としているとのこと。いくつかのメニューをいただいてみることにしました。

 まずは『銀座ライオン』の常連の多くが注文するという、定番の「ビヤホールの煮込み」。居酒屋の「煮込み」とは違う、どこか洋風な雰囲気を感じさせる味付け。プリプリとした食感の牛すじは、臭みはなく、濃厚な旨みを感じさせてくれます。煮込まれたスープにも旨みが染み出していて、ビールとの相性ピッタリの逸品でした。

「『生ビールに合うおつまみ』として考案され、歴代の調理長が代々研究して受け継がれてきたメニューです。牛すじを使用し、セミドライトマトと長ネギを合わせています。『ライオン』の一部店舗でご提供させていただいていますが、実は店舗によってレシピが異なります」(『銀座ライオン』横田さん)

「炒めスパゲティ ナポリタン」1518円(税込)。ナポリタンのお手本とも言えるような、ザ・王道な一皿
「炒めスパゲティ ナポリタン」1518円(税込)。ナポリタンのお手本とも言えるような、ザ・王道な一皿

 続いて、往年の雰囲気を感じさせながら、ビールにも合いそうな「炒めスパゲティ ナポリタン」をいただきます。

 具材は玉ねぎ、ピーマン、マッシュルーム、ベーコン、そして赤ウインナー。モチモチの太めのスパゲッティと、こだわりのソースを合わせて炒められており、濃すぎずさっぱしりすぎない絶妙な味付け。上に乗せられた綺麗な目玉焼きと合わせていただくことで、さらに懐かしい味を楽しむことができました。

「『ライオン』の長い歴史の中で、お食事のニーズが増え、レストラン化が求められた時代もありました。そんな背景の中で、ナポリタンは、販売当時から研究を重ねてきたメニューで、今では『銀座ライオン』各店の定番メニューとなっています」(『銀座ライオン』横田さん)

妙にヤミツキになる「こんにゃくのピリ辛炒め」803円(税込)
妙にヤミツキになる「こんにゃくのピリ辛炒め」803円(税込)

 さらに、筆者が一番驚いたのがこちら「こんにゃくのピリ辛炒め」。ビヤホールでこんにゃく? と、正直意外だったのですが、通な方の間では人気のおつまみとのこと。

 いただいてみると、しょうゆベースの辛みタレで煮込まれたこんにゃくに、バター、七味が三位一体となり、絶妙の味わいです。「こんにゃくにこんな美味しい食べ方があったのか!」と目から鱗が落ちるほどで、ビールのおつまみにピッタリ。また、「ダイエット中だけど、おつまみ軽めに飲みたい~」という際のチョイスにも良さそうです。

「知る人ぞ知る人気のおつまみで、リピートされる方が多いです。気軽にいただけながらも、他にはない味わいを楽しんでいただけると思います。私自身も大好きで、本当にビールによく合うメニューだと思います」(『銀座ライオン』横田さん)

開店当初から販売されているビヤホールの定番「ビヤホールソーセージ(2本)」990円(税込)
開店当初から販売されているビヤホールの定番「ビヤホールソーセージ(2本)」990円(税込)

 最後は、「ビヤホールソーセージ」をいただきました。ビヤホールに行き、ソーセージをチョイスする人は筆者も含め多いと思いますが、実は日本でその草分けとなったのもまた『銀座ライオン』とのこと。

 開店当初より提供しているこの「ビヤホールソーセージ」は、パリッとした皮にナイフを入れると、ジューシーな肉汁が溢れてきます。かじってみると、スパイスが効いていて本格的な味わい。さっぱりとしたザワークラウトも相性ばっちり、ボリューミーでこちらもまたビールがグングン進んでしまいます。

「『ビヤホールソーセージ』は北海道産ポークを100%使用し、香ばしい肉本来の旨みでビールをより美味しく味わっていただける一品です。付け合わせをザワークラウトにし、ビールと合わせていただけるようご提供させていただいています」(『銀座ライオン』横田さん)

『銀座ライオン』のおつまみのこだわりの秘密とは!?

『銀座ライオン』では、今回食べたこれら絶品のおつまみのほかに、30種類以上のおつまみがあり、迷ってしまうほどの充実ぶりです。最後にメニューへの味のこだわりを横田さんに聞いてみました。

「『銀座ライオン』では、ほぼ全てのおつまみを『ビールに合う』ことを前提にしています。『ビヤホールソーセージ』を始め『ジャーマンポテト』、『カリーブルスト』など全てビヤホール風にアレンジを加えて販売しております。また、複数のお客さまがワイワイと賑やかにビールを楽しみながら、取り分けて食べることを想定し、ボリュームたっぷりになっています。

 一方、少人数のお客さまや、おつまみに量を求められないお客さまにもご対応すべく、ソーセージは1本単位でもオーダーできるようにしているほか、お1人さま用の少し小さなサイズでお出しできるメニューも多数ご用意しておりますので、ぜひビールとの相性をお楽しみいただけたらと思っております。『銀座ライオン』でビール、おつまみの味、雰囲気全てのビヤホール文化を楽しんでいただければ嬉しいですね」(『銀座ライオン』横田さん)

調査結果

 日本最古のビヤホールのおつまみを調査したら、日本のビール文化の一端に触れられただけでなく、今や定番のビールとソーセージの源流にもたどり着きました。長年の歳月をかけて、ビールに合うつまみを研究し産まれた『銀座ライオン』のおつまみ。一度は足を運んで、日本ビールの歴史に触れながら最高のペアリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。

(撮影・文◎長岡ユミ・松田義人)

●SHOP INFO

店名:ビヤホールライオン 銀座七丁目店

住:東京都中央区銀座7丁目9-20 銀座ライオンビル1F
営:月・火・日祝11:30~22:00(L.O.21:30)、水~土・祝前11:30~22:30(L.O.22:00)
休:なし