旨い店はタクシー運転手に訊け! 人形町『富士喜』の絶品すぎる「骨付とんかつ」を食べ続ける理由

極厚ローストンカツも絶品だった!

岩中豚の「極厚切りロース」3,200円
岩中豚の「極厚切りロース」3,200円

 最初のうちは、「骨付とんかつ定食」(1,680円)を食べ続けていたんですが、実は気になるメニューが他にもあったんです。

『富士喜』さんでは、岩手県産の「岩中豚」、三重県産の「愛農ナチュラルポーク」、茨城県産の「瑞穂いも豚」という、3種類の豚肉を使用しています。それぞれロースやヒレ、リブロースなどからとんかつメニューが選べたり、また2種類や3種類を食べ比べる定食もあるのが特徴です。

 とりわけ私が気になったのは、「極厚切りロース」(3,200円)。通称“極厚”と呼ばれているメニューで、常連さんらしき人たちがよく注文していました。ただ、私にとっては少々値が張るので、次の給料日に食べようと思っていたんです。

 そしてその日が来ました。

 注文して約20分弱。登場した岩中豚の「極厚切りロース」は思わず「おお!」と言いたくなる、名前通りの極厚でした。切り口は厚さ約3cmほどあり、赤ちゃんのほっぺたのような薄ピンク色、繊維のきめ細かさもよくわかります。

 お店の方におススメの食べ方を聞くと、「まずは塩と胡椒で食べてみてください」とのこと。

柚子胡椒と塩が一緒に出てきます
柚子胡椒と塩が一緒に出てきます

 いただくと、脂の旨みがものすごく強く、まるで水のようにサラリとした脂なんです。

 とんかつであることに間違いないのですが、極上の豚のステーキを食べているかのような気持ちになります。さらに、この分厚さになると、パン粉の美味しさがいっそう際立ちます。肉に対して非常に薄付きで、パン粉自体もきめ細かで香りがよく、サクサクとした食感が、肉の柔らかさ、ジューシーさを引き立ててくれています。

 お店の方によると、パン粉は天然酵母のパンを使い、オーブンで焼いた特注のものを使用しているそう。大食いの私でも、この“極厚”をいただくと、かなりの満足感がありました。

 次の給料日には、三重県産の「愛農ナチュラルポーク」の「極厚切りロース」(3,200円)を食べてみようと思っています。なんでも三重県の愛農高校の生徒が育てている豚肉だそうで、いま、豚肉界でかなり評判の銘柄豚なんだそうです。しかし、1回の仕入れで3kgしか入ってこないそうで、あっという間に売り切れてしまうそう。

 みなさんも“愛農の極厚とんかつ”を狙ってみて下さい。

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

富士喜(ふじき)

店名:富士喜(ふじき)

住:東京都中央区日本橋人形町1-5-14
TEL:03-6667-0559
営:ランチ11:30~15:30(L.O.15:00)
  ディナー月~金17:00~22:00(L.O.21:30)
  土日祝17:00~21:30(L.O.21:00)
休:無休

●プロフィール

荒川治

東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。