「卵の千種巻き」は液体のシーリングに苦戦
低温調理なら、焦がすことなく卵焼きを作ることもできます。ただ、筆者が一番苦戦したのが、この「卵の千種巻き」です。
具と調味料を加えた卵液を、Mサイズの専用袋に入れて手動脱気シーリングをします。
このシーリングがなかなか上手くいかず、気付くと卵液が袋の口にいって上手く密封されないという事態が何度が起こりました。これはあくまでも筆者の技術の問題なのですが、やはり手動のシーリングは慣れが必要なようです。
本体の温度と時間をセットして加熱を開始します。設定温度になったら専用袋に入った卵液を鍋に入れて加熱して、あとは形を整えるだけ。
比較的だし巻き卵をふっくら焼けると自負している筆者でさえ、この千種巻きのふわとろ感には驚かされます。冷ましてから食べるというのがポイントなのですが、このなめらかさは低温調理ならではといえるでしょう。
今回、調理をしてみてふと気になったのは、使い捨ての専用袋のコストです。最初はMサイズ10枚、Lサイズ10枚が付属しますが、これを使い切ったら自腹での購入が必要です。Mサイズは20枚1,400円(税抜・以下同)、Lサイズは20枚1,800円/100枚8,300円。さらにLサイズロールタイプ2本入りは2,500円です。1枚あたり70~90円というのはちょっともったいないかなと思いましたが、レストランクオリティの料理ができるのであれば、許容範囲の出費かと思います。
本体は税抜5万円と決して安くはありません、シーラーなしの低温調理器が2万円台で買えることを考えると悩ましいのですが、“これ一台で真空包装も低温調理もできる”ということが、この製品の最大の強みといえるでしょう。また、操作方法も比較的わかりやすいので、初めての人も難なく使えるはずです。
自宅でレストラン顔負けの本格的な低温調理をしてみたいと考えている人は、ぜひ購入の選択肢に貝印の「KaiHouse aio The Sousvide Machine低温調理器」を加えてみてはいかがでしょうか。
●DATA
KaiHouse aio The Sousvide Machine低温調理器
●著者プロフィール
取材・文/今西絢美
編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好き。