店の佇まいだけでも立ち寄りたくなる、旨さが伝わってくる
まずお店の佇まいがいい。「あっ、こんなところにいい定食屋みつけた」という親しみやすさがあります。13時前でしたが、店先には待っている人がちらほら。カップルや夫婦、近隣で力仕事に勤しんでいるだろう男性客やお一人様……とにかく様々な人を吸収する気軽さがあり、漂ってくるスパイシーな香りに腹ぺこのお腹も一層、緩みます。
待っている間に注文を聞かれたので、店内に通されるとあっという間に料理が運ばれてきました。
まずはお待ちかねの「麻婆豆腐定食」。鉄鍋の中で麻婆ならではの赤黒い秘伝の醤(ジャン)がぐつぐつと煮えたぎり、湯気をあげています。
定食なので、白飯に中華スープ、大根の漬物、小さな杏仁豆腐がセットになっています。麻婆豆腐の上には刻みネギと葉ニンニク、唐辛子がトッピングされ、食欲をそそるルックスに仕上がっていました。
一口味わって最初に感じるのが、本格的な花椒と山椒のシビ辛ないい香り。熱々、激辛を想像していましたが、特製ジャンや、たくさん入ったひき肉の旨みが感じられ、甘みがあります。食べていると次第に、辛さと花山椒による痺れがやってきます。
この絶妙な旨みと辛さのハーモニーで、ご飯が進む。また一口、一口と止まらなくなる。時折、中華スープと大根の漬物で口をさっぱりさせるとより一層、美味しさを噛みしめます。
「一度食べたたらクセになるよ」
地元の友人に言われていた通り、食べ終わった時にはもう、すぐに食べにきたいと思わせてくれました(思わず、家族に土産もゲット!)