ポーランド料理といってすぐに思いつく人はかなりの食通。「ハート オブ ヨーロッパ」と呼ばれ、ヨーロッパの中央に位置する国ポーランドは、歴史的な建物が並ぶ首都ワルシャワをはじめとした歴史ある街並みと、自然が織りなす美しい景色で、日本でも近年人気になりつつある国です。
日本ではポーランド料理の専門店は数えるほどしかなく、まだまだ馴染みの少ない料理ですが、ポーランドの素朴でやさしい料理は、日本人の口にもよく合います。さらに彩が鮮やかな料理も多く、記念日の多いこれからの季節には最適です。特別感を高めてくれるポーランド料理のお店の中でも雰囲気、味、価格と、どの分野においても優れたお店が宇都宮の郊外にあるというので早速行ってみました!
公園のほとりのかわいい一軒家
宇都宮から車で約30分、栃木県運動公園のほとりにあるかわいい一軒家。アクセスは決して良いとは言えない場所に開店したのは、故郷ポーランドの環境によく似ていたからだとか。公園の木々が青々と茂るこの場所は、ゆっくりと食事を楽しむのにはぴったりで、のんびりと訪れてみたいレストランなのです。
店に一歩入るとピンクと白にコーデイネートされた装飾のかわいらしさに和みます。よく見るとピンクのタイルだと思っていたのは、なんと岩塩。ポーランドから取り寄せたもので、シェフがご主人と一緒に内装を作ったのだとか。
営業時間は15時まで。ランチとデザートを楽しもう
『スモックバベルスキ』では、伝統的なポーランド料理のセットが楽しめます。ランチメニューは常時6種類、1,700円から2,200円まで。スープ、サラダ、コーヒー、デザートがついたセットメニューです。
いちばん人気のメニューはジューシーな「リッチスモークチキンのセット」。ポーランドではスモーク料理は伝統的な料理で、スモークチキンはシェフの自家製です。岩塩の程よい塩味とチェリーチップのスモーキーなフレバーが本格的。ジューシーでやわらかくて、とってもおいしい! セットの今日のスープは、真っ赤なビーツを使ったもので、自家栽培のハーブも使った鮮度の高いサラダのドレッシングには、りんご酢や玉ねぎ、はちみつなどに岩塩を加えたオリジナルソースがかかっています。
ザワークラウトの煮込み食べたことある?
テーブルを彩るかわいい陶器。これ置物じゃないんです。これはポーランドの南部の「ボレスワヴィエツ」と言う町に生まれた、伝統的な陶器。周りにはグリルされた野菜や花びらが散らされて、見た目にもとってもかわいい。この容器を開けてみると…?
中に入っていたのはポーランドの伝統料理「ビゴス」。爽やかな酸味のザワークラウトや生のキャベツに肉やきのこなど刻んで、じっくりと煮込んだポーランドの代表的な料理です。煮込めば煮込むほど美味しくなると言われ、手間ひまのかかるポーランドのお袋の味。赤ワインと肉汁、複数のハーブ、調味料は少量の塩だけととってもやさしいお味。パンと一緒に食べると美味しさ倍増です。
そのほかにも、旬の素材を使ったさまざま料理が季節やその時入荷した素材によって登場します。ポーランドの水餃子のピエローギ、肉シチュー、じゃがいもステーキのビーフシチューソース、やわらかターキーのスモークなど、ここでしか食べられないポーランドならではの料理がたくさん。定期的にメニューが変わるので、どんな料理が食べられるのかは、行ってみてからのお楽しみ。ドライブを兼ねて出かけてみたい素敵なレストランです。
●SHOP INFO
店名:スモック バベルスキ(SMOK WAWELSKI)
住所:栃木県宇都宮市西川田5-27-10
TEL:028-645-2044
営:11:00~15:00(L.O14:00)
休:日月曜、不定休あり(要電話確認)
●著者プロフィール
矢巻美穂
国内、海外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマン。趣味は温泉めぐりと食べ歩き。座右の銘は「美味しいものは産地で食べるに限る」。旬の美味しいものをその産地で食べることに興味津々。著書に「トレッキングとポップな街歩きネパールへ」「とっておき! 南台湾旅事情故事」「台北ナビが教えてくれる本当においしい台湾」「初めまして、東台湾。」がある。