熊本人も絶賛する小田原の熊本ラーメン『ブッタガヤ』に行ってきた

熊本人も絶賛する小田原の熊本ラーメン『ブッタガヤ』に行ってきた
食楽web

 神奈川県の小田原で美味しいものを食べよう、と思ったら、皆さんは何を思い浮かべますか? 小田原漁港で水揚げされた新鮮なネタを使った海鮮丼や生シラス丼、お刺身定食、はたまた干物定食などが定番でしょうか。かまぼこも有名なので、小田原おでんなどもいいですね。

 しかし今回、筆者がオススメするのは小田原の「熊本ラーメン」です。「そんなバカな」「ズレてる」という声が聞こえてきそうです。実際、私も知り合いから「小田原に行くなら熊本ラーメンを食べた方がイイよ」と言われて、「絶対ウソだろ、小田原だぞ…」と思いました。

 しかし、その店を紹介してくれた人は熊本出身。「地元で食べるより旨いかも」という言葉が妙に心に刺さったのです。向かった先は、小田原駅から徒歩で約10分の『熊本ラーメン ブッタガヤ』。小田原なのに熊本ラーメン、しかも店名はインドの地名である「ブッダガヤ」です。頭が混乱します。

 外観はどこの街にも1軒はあるような昭和のノスタルジックなラーメン屋の店構え。ただし、入店すると豚骨を炊く強烈な匂いが漂っています。この匂いを嗅いだ瞬間、小田原×熊本×インドの混乱は吹き飛びました。

 これこれ、こうでなくっちゃ、九州の豚骨ラーメンは臭いのが旨い! この豚骨臭は苦手な人も多いかも知れませんが、「強烈な匂いほど旨い」というのは、数々の博多ラーメン店で筆者は経験済みなのです。これはかなり期待できます。

 メニューは、「くまもとらーめん」(750円)を筆頭に、角煮の入った「ブッタガヤ」(1000円)など6種類。そこで基本の「くまもとらーめん」を注文してみることにしました。

 注文が入ると、ご主人がゴワゴワした麺を丁寧にほぐし始めました。どうやら自家製麺のようです。奥には大きな寸胴があり、そこでグツグツとスープを煮込んでいます。そして、しばらくして登場した丼がこちら。

マー油が浮かぶ、とろりとしたスープの「くまもとらーめん」750円
マー油が浮かぶ、とろりとしたスープの「くまもとらーめん」750円

 豚骨醤油味のスープからいただくと、心の中で「おー!」と感動の声が上がりました。強烈な豚骨の香りはあるものの、そんな匂いは全く気にならないほど深いコクがあり、じつに優しい味です。また、熊本ラーメン特有の焦がしニンニク油(マー油)で食欲が増進されます。

 続いて麺。ゴワッとしていて、噛むとパツパツ。いわゆる低加水のタイプですが、最初から最後までしっかりワシワシしていて、噛むほどに小麦のうま味を感じます。そして、濃厚なスープと相性抜群。こ、これはめちゃくちゃ美味しいのでは…?

 さらに特筆すべきは巨大なチャーシュー。2枚ともぶ厚くてどっしりした感じです。しかし、口に入れると、とても柔らかく、ホロホロと崩れていきます。味付けはすっきりした醤油味で、これも濃厚なスープにぴったり。そのまま食べても、スープに沈めて味を染み込ませて食べても楽しむことができます。

 さらに具材で特徴的なのが、生キャベツです。シャキシャキしていて、濃厚なスープをくるりと絡めても美味しいし、箸休めとしての役目もバッチリ。ここで、ふと、気づいたのですが、熊本ラーメンの老舗『桂花ラーメン』でも生キャベツがトッピングに入っていました。

 そこで、ご主人に声をかけてみると、やはり『桂花』で修業をされたのだそうです。ただし、熊本出身ではないとのこと。小田原で熊本ラーメン専門店を出すのは勇気あるなと思いますが、それだけに自信も感じられます。

 ちなみに「ブッタガヤ」はインドの地名で、ブッタが悟りを開いた土地だそう。筆者も「美味しいものは場所を問わない」と悟りが開けた気分です。

 ともあれ、もはや小田原の新名物といってもいいほど美味しい『ブッタガヤ』の「くまもとらーめん」、ぜひ、食べてみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

くまもとらーめん ブッタガヤ 外観

店名:くまもとらーめん ブッタガヤ

住:神奈川県小田原市栄町3-14-14
TEL:0465-23-4003
営:11:30~14:00、17:00~22:00
  (土・日・祝)11:30~21:00
休:月