リピート必至! 神保町の名寿司屋『六法すし』のちらし寿司がウマすぎる

思い出のちらしは相変わらず最高だった

にぎりもちらしも同価格
にぎりもちらしも同価格

 店内は、昔と変わらず真っ白な美しい白木のカウンター。寿司屋にありがちな張り詰めたような緊張感は皆無。あったかい雰囲気で迎えてくれます。中には、懐かしいご主人がいて、だいぶ高齢になられていましたが、とてもお元気そう。手を動かしながらカウンター越しにお客さんに目を配り、時折、声をかけています。

『六法すし』の昼のメニューは、1200~3200円までの4段階。値段を決めて、「握り」か「ちらし」を選ぶスタイルです。今回は、思い出の味を食べたいので、「ちらし」一択。下から2番目の1700円のちらしをお願いしました。

1700円のちらし
1700円のちらし

 登場した寿司桶。「あ~、これこれ!」。トビコ、イクラ、コハダや赤貝がキラキラと輝き、まさに宝石箱のよう。穴子やイワシ、ブリ、椎茸、玉子など計10種類ほどのネタが3cm大に切ってあり、1つ1つの味つけも食感も様々。

 プチプチのトビコと、まろやかな酢飯が全体をバランスよくまとめていて、どこをどう食べても美味しい。やはり、20年以上経っても『六法すし』の「ちらし」は最高。「あ~、ずっと食べていたい!」と、奥の女性客が言っているのが聞こえてきます。

 ご主人は、その若い女性客に、寿司の起源や江戸前寿司の歴史についてさらっと話したり、別の男性客には「これは大洗で捕れたヒラメで、最高なんだよ」と言ってネタを見せていたり、付かず離れずの心地よい接客。筆者にも、お店で漬けているという漬物のこだわりを教えてくれたりと、優しくて和みます。

こちらは2200円のバージョン。帆立などネタがちょっと高級になります
こちらは2200円のバージョン。帆立などネタがちょっと高級になります

 試しに「十数年前に、ここのちらしを何度かいただきました」と言ってみると、「昔から来てくれる人はだいたい昼にちらしを注文するし、お土産でも買っていくんです。自分で言うのもなんだけど、自分で食べても旨いしね」とニコニコ。

 その時です。奥の厨房から、もう一人、ご主人によく似た白髪の割烹着姿の方が登場。え、ご主人が2人? びっくりです。目を丸くしていると、「あれは弟」とのこと。なんとこちらのお店、ご兄弟で始めたお店なんだそうです。昔見たご主人はどっちだったのか…(笑)

 ともあれ、来年で創業から50周年を迎えるそうです。皆さんもぜひ『六法すし』に行って、なかなか味わえない絶品ちらしを味わってみてください。ご主人の優しい笑顔と、楽しい話も最高ですよ。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

六法すし外観

店名:六法すし

住:東京都千代田区神田神保町1-11
TEL:03-3291-6879
営:12:00~14:00 、17:30~22:00(土~19:30)
休:第2土・日祝