現代の寿司とどう違う!? 東京・神田で“江戸三鮨”の一つ「笹巻けぬきすし」を食べてきた!

現代の寿司とどう違う!? 東京・神田で“江戸三鮨”の一つ「笹巻けぬきすし」を食べてきた!
笹巻けぬきすし・10個入り。魚は季節で変わることがあります | 食楽web

 東京・神田。モダンなオフィスビルが立ち並ぶ中に、ひときわ老舗の趣をただよわせる店舗があります。ここが元禄15(1702)年創業の『笹巻けぬきすし総本店』で、「与兵衛寿司」、「松が鮨」と並ぶ“江戸三鮨”のひとつ。

 珍しい店名ですが、これはこちらで提供されている寿司の名称でもあります。元禄15年といえば、赤穂四十七士が吉良邸に討ち入った年。それを聞いただけで歴史と伝統を感じます。殺菌効果があると言われる笹で巻き、魚の小骨を毛抜きで抜き取っていたことから“笹巻けぬきすし”という名がついたのだとか。戦国時代に兵粮を笹の葉で巻いて運んだ故事に習って、初代主人が始めたというこの寿司を、さっそくいただきました。

 折詰で売られている寿司は5個入りから100個入りまであり、筆者は10個(2,214円)を。鯛、光物(小肌)、白身(カンパチ)、海老が各1貫、おぼろ(海老入り)、玉子、のり(かんぴょう)が各2貫。青々とした笹に巻かれた寿司が美しく整然と折箱に詰められています。

左が光り物(小肌)、右は鯛
左が光り物(小肌)、右は鯛

 まずは鯛から。シャリの酸味がスゴイ! 普通の寿司よりも効いています。現在のような保存技術がなかった昔は、とにかく塩と酢を多く入れて“長持ちさせる”ことを重視し、このような味になったのだそう。しかしそれでも今は昔ほど塩も酢も使っていないといいます。当時は一体どんな味だったのでしょうね。

左が海老、右は白身(カンパチ)
左が海老、右は白身(カンパチ)

 光物も白身も海老も、ネタにも酢がよくしみ込んでいます。シャリには粘りがあり、笹でしっかりと巻かれていただけあって口の中でのネタとの一体感は完璧です。とくに海老入りのおぼろは甘みがあり、これが強い酸味とバランスがよく、なんとも美味。筆者の一番のお気に入りです。

おぼろ(海老入り)
おぼろ(海老入り)
のり(かんぴょう)
のり(かんぴょう)
玉子
玉子

 さてこの笹巻けぬきすし、持ち帰りがメインですが、ランチタイムにはセットメニューがあり、イートインもできます。持ち帰りの場合は、できてから3時間後くらいが塩と酢がこなれ、笹の香りになじんでもっとも美味しくいただけるのだそうです。

ランチタイムにはセットメニューでイートインも可能
ランチタイムにはセットメニューでイートインも可能
持ち帰りの折詰は5個入りから
持ち帰りの折詰は5個入りから

(取材・文◎松本壮平)

●SHOP INFO

笹巻けぬきすし総本店 内装

店名:笹巻けぬきすし総本店

住:東京都千代田区神田小川町2-12
TEL:03-3291-2570
営:月~金 10:00~18:30、土 10:00~17:00
休:日・祝