鶏の旨み爆発! 練馬「博多水炊きらーめん」の鶏白湯スープがサラサラなのに濃厚な理由

鶏の旨みを倍増させるための秘密

「ただ、鶏白湯スープだけで旨みを出すというのはすごく難しいんですよ」と角さんは言います。

 確かに、鶏白湯に豚骨や魚介系素材を合わせる“ダブルスープ”のお店は多くあります。豚骨や魚介の“脂”が加わることで、コクや旨みが引き出しやすくなるからです。しかし、鶏だけのスープの場合、他の素材の脂が足されない分、旨みを出すのが難しくなるわけです。

 では「鶏油(チーユ)などのオイルを入れているのですか?」と質問してみると、
「うちはオイルの後入れもしていないんです。鶏油を入れると、最初、口にした時は油による旨みを感じるかもしれませんが、麺がもっさりした感じになるし、食べ進むと積み重なって、どうしてもくどくなるんです」とのこと。

「鶏まぜそば」800円
「鶏まぜそば」800円

 では一体、どうやって旨みを出しているのでしょうか。いただいたスープには、しっかりとした旨みを感じましたが…。筆者が納得いかない顔をしていたからか、角さんが、鶏白湯スープに濃厚な旨みを出すヒミツを教えてくれました。

「うちの場合、スープと同じくらいカエシを重要視しています。入れているのは4種類。【1】北海道の鶏醤(とりしょう)、【2】塩麹、【3】福岡・大牟田市の薄口醤油、【4】しじみ醤油です。どれも鶏白湯スープと相性が良く、ナチュラルな成分の力で、鶏の成分の旨みを何倍にもしてくれる。そして、とても柔らかな味になるんですよ」

 ところで、他のメニューも気になります。「やっぱり博多水炊ラーメンが一番人気なんですか?」と聞くと、意外な答えが返ってきました。

「それがそうでもないんですよね(笑)。他の3つは脇役的なメニューに思われるかもしれませんが、開店当時からある柱メニューで、それぞれ他では食べられないような味を目指して作りました。実は『担々麺しか食べない』『鶏まぜそばしか食べない』というお客さんもいるほどです」

 特に「汁なし担々麺」(800円)は、ちょっと異質な気がします。

「うちのメニューはすべてに鶏白湯スープを使っているんです。だから汁なし担々麺も一般的な味とはちょっと違い、あっさりしていると思います」

「汁なし担々麺」は、こちらで唯一、具材に“豚ミンチ”を使用しているそうですが、お客さんから「あの“鶏ミンチ”が美味しかった」なんて言われたりもするそう。それだけ鶏スープの旨みが強烈なんですね。

 今回は、「博多水炊ラーメン」のみでしたが、確実に全メニューを制覇したくなりました。みなさんも、ぜひ食べ比べて見て、お気に入りのメニューを見つけてみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

博多水炊きらーめん うかんむり 看板

店名:博多水炊きらーめん うかんむり

住:東京都練馬区豊玉北6-2-1ディアマークスキャピタルタワー1F
TEL:03-5999-0252
営:11:30~15:00、17:30~23:00
  日・祝17:00~20:00
休:月