前代未聞のもちもち塩ラーメン『麺と未来』が下北沢に登場! 手打ち“極太麺”と“塩だれスープ”が旨すぎる

 今年30歳の市川誠さんは、なんと高校時代の15歳からラーメン業界に携わり、大学に通いながら、ずっと理想のラーメン作りを研究してきたそうです。

「いろいろなラーメン店で経験させてもらいました。そんな中で、ここのオーナー・久保寺さんと出会い、“理想とする個性を生かしたラーメンを下北沢で表現してみたら?” と後押ししてもらったんです」

 そこでまず麺の理想を実現しようと思ったそうです。

「ラーメンは一般的に噛み切るときの食感を重視します。ワシワシ、パツパツといった具合です。しかし、博多うどんのような、もちもち、ふわふわ、ツルツル、といった口に入った時の舌触りと、噛みしめていくと口の中にまとわりつくような感じを、ラーメンで表現しようと思ったんです」

 小麦や米の中のでんぷんにはアミロースという成分があり、その量が多いほど、ゴムのような硬い食感になります。反対にこれが少ないほど、もちもちになります。

「うちで使用している“もち姫”(もち小麦)は、新しい小麦の種類で、超低アミロースなんです。試してみると、非常に粘りが強く、冷めても食味が変わらない。これなら自分の理想とするもちもちの手打ち麺が作れると思いました」

 さらに、一般的に水で締めるうどんですが、ラーメンはそういうプロセスがないので、茹で時間もかなり研究したとのこと。結果、麺の外側はトロトロ、中はふわふわ、芯は歯ごたえが残る麺が完成したそうです。

ラーメンを食べた後のオススメは「お茶漬けセット」250円。残ったスープをかけていただきます。お米は青森県産特Aランク「晴天の霹靂」を使用
ラーメンを食べた後のオススメは「お茶漬けセット」250円。残ったスープをかけていただきます。お米は青森県産特Aランク「晴天の霹靂」を使用

 スープも鶏などの動物系より和風出汁の比率を多めにすることで、極太の麺に合うようにしているほか、ラーメンのコアになる“脂”は、比内地鶏とコーチンから取った脂を使っているそうです。

「また、合わせる塩だれなんですが、一般的には和風出汁をとって、そこに酒やみりんを少し加えて作りますが、うちの塩だれの液体の半分以上は日本酒。飲んでも美味しい日本酒の“蔵の素”を煮切り、そこに出汁を合わせ、さらにパリの三ツ星レストランでも使用されている“鮎魚醤”をちょっと加えています」

 聞けば聞くほど、市川さんのラーメンに対する研究熱心さが伝わってきます。そういえば、シモキタといえば、昔から若者が個性を表現する街でもあります。体に優しいという基本の精神を持ち、新しい美味しさに挑戦している市川さんのまっすぐな心を表現したかのような、純手打ちのもちもちの極太塩ラーメンは、感動必至。ぜひ、味わってみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

純手打ち 麺と未来

店名:純手打ち 麺と未来

住:東京都世田谷区北沢3-25-1 シャトルヒエイ1F
TEL:非公開
営:11:30~14:30、18:00~麺・スープ売り切れまで
休:月