手作り・自家製調味料にこだわる名店でからあげ3種を味わう
「目黒区のからあげなら、絶対“とき家”だね」
ある時、目黒在住の知人にそう言われて以来、ずっと気になっていた『焼き餃子と唐揚げ とき家』に行ってきました。その名の通り、からあげが名物のひとつになっているお店です。最寄りは学芸大学駅。
こちらの特徴は、昆布と塩を長時間炊いて作る“昆布塩”という自家製調味料を、甘味を除くほぼすべての料理に使っていること。「既成の調味料は一切使っていません」と店長さんが言うように、料理はすべて厨房で手作りしているそうです。
今回は鹿児島産の薩摩錦を使用したおすすめのからあげ3種をいただきました。オーダーしたのは「もも肉唐揚げ」(1個120円)、「むね肉竜田揚げ」(1個120円)、「甘辛胡麻醤油揚げ」(1個130円)をそれぞれ3個ずつ。
お酒を飲みながら待っていると、見るからに美しいからあげが登場しました。揚げ油の鮮度にこだわり、常にきれいな油で揚げているということで、見た目は白い上品な色あいです。
もも肉唐揚げはブラックペッパーをまぶしてあり、ひと口目で唇をピリッと刺激してくれます。衣は小麦粉を付け、その上に片栗粉を重ねているそうで、カリッ! モチッ! としたダブル食感。昆布塩を使っているため、普通の塩からあげとは違った旨みがあります。
一方のむね肉竜田揚げはカリッとした衣に弾力感抜群の肉。あっさり感はあるものの、フワンフワンとした歯ごたえ。甘辛胡麻醤油揚げは、揚げた後に甘辛いタレに浸し、その上に胡麻をまぶしています。
竜田揚げと甘辛胡麻醤油揚げには山椒をまぶしてあります。とくに甘辛胡麻醤油揚げは、甘辛さと胡麻の風味、山椒の爽やかさのバランスがよく、大人だけでなく子どもも大好きになりそうな美味しさです。
さて、3種のからあげをいただいてみて、こちらのからあげの一番のポイントは、やはり昆布塩だと改めて思いました。昆布のうま味成分であるグルタミン酸は、肉などの動物性のうま味成分であるイノシン酸との相性がよく、肉料理に絶妙に合います。とくにこちらの塩からあげ、通常のものよりも味に“まるみ”があり、昆布が鶏肉の旨みをよく引き出してくれている印象です。
からあげは1個からオーダー可能。からあげに合うソースも数種類用意されているので、いろんな味を楽しめます。お酒の種類も豊富で、ビールや焼酎はもちろん、ノーワックスレモンを使用したレモンサワーなども人気。学芸大学付近にお立ち寄りの際は、こだわりのからあげと美味しいお酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。
●SHOP INFO
店名:焼き餃子と唐揚げ とき家
住:東京都目黒区鷹番3-3-5-B1F
TEL:03-3710-8889
営:月~土18:00~24:00(L.O.23:00)
日・祝17:00~24:00(L.O.23:00)
休:なし
http://www.takikara-tokiya.com/
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。