前代未聞のもちもち塩ラーメン『麺と未来』が下北沢に登場! 手打ち“極太麺”と“塩だれスープ”が旨すぎる

丼の中の手間ひまに驚愕!

 ラーメンの種類は「塩らーめん」780円、「特製塩らーめん」980円、「海老塩わんたんめん」1,080円の3つ。「特製塩らーめん」は、海老ワンタンが2つ入っていて、ここのイチオシというので、これを注文してみました。

 まず、極太麺。これはラーメン界でもトップクラスの太さだと思います。店の奥の隠し部屋のような場所で、毎日「手打ち、手切り、手もみ」のまさに“純手打ち”しています。小麦は三重県産の「もち姫」だそう。

 マスターの市川誠さんによると「小麦には、お米同様に“うるち小麦”と“もち小麦”の2種類があります。通常の麺は、うるち小麦で作りますが、うちでは、もち小麦を100%使用して、これまでのラーメンにはなかったもちもち感を目指しました」と言います。

麺打ちをするマスターの市川さん
麺打ちをするマスターの市川さん

 いただいてみると、確かに麺のもちもちとした舌触り、ふわふわとした食感。そして、この太さだからこそ、小麦の美味しさがジワリ、ジワリと押し寄せてくるよう。また、塩味の優しいスープが麺にどんどん染み込んでいき、食べ進めるごとに味わいが変化していくのです。これがたまらなく魅力的です。

 スープは、丸鶏と鶏の手羽先に、アサリ、羅臼昆布、カタクチイワシ、鰹枯節など魚介系を合わせた出汁に、特製の塩だれをプラスした、完全無化調の「塩スープ」です。このスープのとり方も独特で、直接、寸胴を火にかけるのではなく、寸胴を2つ重ねて、湯煎で炊いているんです。
「湯煎の方は沸騰させずに、底だけでなく鍋の側面からも火を優しく入れていくので、素材に対してもじんわりと火が通り、柔らかなエキスを取り出すことができます」(市川さん・以下同)

 続いて具材です。海老ワンタンは、ツルンツルンの薄い皮の中にプリプリの海老が入っています。この皮ももちろん自家製で、麺と同じ小麦「もち姫」を使用しているそうですが、麺とは全然違う食感なんですよ。

 そしてチャーシューは、豚バラ肉の煮豚で、厚めで極太麺に脂のとろりとした甘みがよく合います。さらに、メンマ。こちら、食べて驚くのですが、柚子の香りがするんです。「乾燥メンマを1週間以上かけて水で戻してから煮込み、柚子の果汁で仕上げています。ラーメンを食べている間の箸休めとして、爽やかなメンマにしたかったんです」

 丼の中の一つひとつにこだわりがありつつ、それらのまとまりも素晴らしい。麺の太さも、決して奇をてらっているわけではなく「この麺が最高!」と思わせる塩梅になっています。この “極太もちもちラーメン”には、店名通り、麺の“未来”を感じさせられます。

 このラーメンを考案した市川さんに興味が湧き、お話をさらに聞いてみました。