プロの食ライターに聞いた絶品「お雑煮」レシピ8選

元旦と2日目で変わる! 元旦の「小豆雑煮」(島根県出雲)

 島根県では、なんと元旦と2日目以降で食べるお雑煮が異なります。元旦は縁起のいい小豆を使った「小豆雑煮」。出雲では神在祭にこの「小豆雑煮」をふるまった由来があり、お正月にも食べる風習になったともいわれています。ひとつのさやから豆がたくさん採れる小豆は、子孫繁栄や、出雲弁で「一年間まめなように(元気なように)」との願いも込められています。

 味はあっさりしたぜんざいのような感じで、とても美味。毎日これだとさすがに飽きそうですが、元旦だけなので、とても楽しみなお雑煮。神棚にもお供えしています。(中医薬膳営養師・樋口彰子)

材料(4人分)

・丸餅……8個
・小豆……80g
・砂糖……60g(好みの甘さで調整)
・塩……ひとつまみ
・水……1000cc

作り方

1.小豆を洗ってかぶるくらいの水(分量外)に入れる。沸騰させて茹でこぼし、鍋から取り出す

2.小豆を鍋に戻し、分量の水と砂糖を入れて沸騰直前まで強火、その後は弱火で煮る

3.小豆が柔らかくなったら、塩を入れて味を調える。汁気が多く、小豆の粒がなるべく残るように作る

4.焼いた丸餅を入れて少し煮る

2日目からいただく「かもじ海苔雑煮」(島根県出雲)

 元旦に「小豆雑煮」を食べたら、2日目からは「かもじ海苔雑煮」を食べます。すまし出汁に海苔だけを入れた、一見淋しそうな見た目のお雑煮。しかし、食べた瞬間、口の中にかもじ海苔でしか味わえない香りと味わいが広がり、歯応えにも心が躍ります。はっきりいって、海苔以外の具はいらない!(笑)

 日本最古といわれ、お正月しか買えないこの「かもじ海苔」は、私的に日本一美味しい海苔。「十六島海苔(うっぷるいのり)」とも呼ばれるそうです。(中医薬膳営養師・樋口彰子)

材料(4人分)

・丸餅……8個
・出汁……適量(好みの出汁)
・かもじ海苔……適量

作り方

1.お好みの材料で出汁をとり、薄口しょうゆ、塩、酒などで調味する

2.お椀に焼いた餅を入れ、出汁を注ぎ、炙ったかもじ海苔を入れて溶く