油は太るは本当か? 油のプロに聞いた美味しくてヘルシーな油習慣Q&A

Q1.そもそも油は太るの?

 摂り過ぎれば太る原因になります。油を摂り過ぎれば、当然ですが摂取カロリーが増えます。そして消費されずに余った分が脂肪として蓄積され、太る原因になります。しかし、油に限らず、たんぱく質や糖質も必要以上に食べれば余分なカロリーになり、体に蓄積されるのは一緒。つまり「油を摂るから太る」というのは誤解で、「どんなものでも食べ過ぎれば太る」のです。

Q2.油は体に悪い?

 いいえ。油は体の健康維持に欠かせません。油は、私たち人間の生命維持や身体活動に欠かせない「三大栄養素(糖質・たんぱく質・脂質)」の「脂質」にあたり、エネルギー源としての役割と、体の組織を正常に機能させる働きがあります。ですから油が体に悪いどころか、健康な体を維持するのに必要不可欠です。

 また植物油に含まれる「脂肪酸」は種類や成分によってさまざまな特徴があり、私たちの体の健康維持・増進に役立ちます。ただし、摂り過ぎに注意して、適量摂取を心がけてください。

Q3.では油の量を控えればいい?

オリーブオイルをきっかけに、日本でも植物オイルの健康機能が注目されるようになった
オリーブオイルをきっかけに、日本でも植物オイルの健康機能が注目されるようになった。写真:(c)日清オイリオグループ株式会社

 油は量だけでなく質を考えなくてはいけません。繰り返しますが、油=脂質は、人間にとって必要不可欠な栄養素です。脂質を必要量摂取しないと健康を害します。ただ、現代の日本人の脂質の平均摂取量は、高齢の方を除き、多くの年代層で厚生労働省が出している「食事摂取基準」の上限に近い水準となっています。これらの年代層では、半数近い人が、基準を超えて脂質を摂っているかもしれません。普段の暮らしで摂り過ぎを意識している方は、油の量を控える意識を持ったほうがいいでしょう。

日清オイリオ「植物油のおいしいおはなし」より
日清オイリオ「植物油のおいしいおはなし」より

 とはいえ、植物油の主成分である脂肪酸は、体になくてはならないものです。例えば、オメガ6系脂肪酸のリノール酸と、オメガ3系脂肪酸のα-リノレン酸。これらは人間の体内では作られず、食物から摂らなければならない「必須脂肪酸」と呼ばれているものですが、平均的に見れば、良好な水準で摂取できています。一方で、動物脂などに多く含まれている飽和脂肪酸は摂り過ぎ傾向。油の摂取を控える際には、やみくもに減らすのではなく、脂肪酸のバランスにも配慮したうえで適量を摂取を心掛けたいところです。