旨い店はタクシー運転手に訊け! 自由すぎる発想で生まれる『ライモンディ』の絶品カレーがめちゃくちゃ旨い

真似をしない独創的なカレー

「日替わり野菜ととり肉のカレー」900円。シンプルにトマトと玉ねぎ、スパイス、ヨーグルトで作った優しい味。ちなみにライスは、秋田こまち、バスマティライス、発芽玄米、古代米を合わせ、そこにカルダモンとターメリックで香りづけをしているそうです
「日替わり野菜ととり肉のカレー」900円。シンプルにトマトと玉ねぎ、スパイス、ヨーグルトで作った優しい味。ちなみにライスは、秋田こまち、バスマティライス、発芽玄米、古代米を合わせ、そこにカルダモンとターメリックで香りづけをしているそうです

 ご主人・榎本雄紀さんの経歴を聞くと、新宿でもっとも古いインドカリーの名店『新宿ボンベイ』(2018年3月に閉店)で修業し、その後、インドカレーの移動販売を10年間やりつつ、インドやアジアを旅していたそうです。この『ライモンディ』をオープンしたのは、2015年のこと。

「ほうれん草ととり肉のカレー」900円。ほうれん草はスタンダードに、ほうれん草を湯がいて絞り、ミキサーにかけて、牛乳、タカの爪、クミンシード、ターメリックとチリパウダーで煮込むそうです
「ほうれん草ととり肉のカレー」900円。ほうれん草はスタンダードに、ほうれん草を湯がいて絞り、ミキサーにかけて、牛乳、タカの爪、クミンシード、ターメリックとチリパウダーで煮込むそうです

「店を開くとき、本場のインドカレーを目指そうとは思わず、自分が食べて美味しいカレーを作ろうと思ったんです。例えば、ゴーヤのマサラは、沖縄のゴーヤチャンプルーというテッパン料理がありますよね。食材の組み合わせが最高な料理です。こういう料理をカレーに寄せていくと言う発想で作ると、ついつい美味しくできてしまうんですよね(笑)」と言っていました。面白い発想ですよね。

 そんなふうに、榎本さんの多彩な経験とスパイスマジックで出来上がるので、一見、普通に見えるトマトカレーやほうれん草のカレーだって、とっても味わい深く、優しい味わいです。

 インド料理や無国籍料理でもなく、流行りのスパイスカレーでもない。非常に個性的なものもあれば、誰にでも食べやすいシンプルなカレーもある。そんな榎本さんのカレー作りに魅かれる人が多いのか、私のような料理好きな男性がカウンターによく座っているんですよ。そんな気さくな『ライモンディ』さんに、ぜひ行ってみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

ライモンディ

店名:ライモンディ

住:東京都板橋区大山東町15-3 田中コーポ 1-C
TEL:非公開
営:昼12:00~14:00LO、夜18:00~21:00LO(日は昼のみ、火は夜のみ)
休:月(不定休あり)
https://blog.goo.ne.jp/toku-para(こちらからの営業やメニューの確認ができます)

●プロフィール

荒川治

東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。