イノシシ鍋からヒントを得て作ったカレー
マトンとごぼう。この組み合わせのカレーに最初は少し躊躇いました。どちらも“泥臭い”と言うイメージがあり、クセが強いかなと思ったんです。でも、あえて、それを注文してみたんです。これが予想を覆すほどの絶品。
マトンを食べてみたら、臭みは全くなくて、とっても柔らかいし。スープは酸味とスパイスでスッキリしていて、その奥に、マトンの出汁がきいている。パラパラのライスと一緒に食べると、何杯でも食べられそうなんですよ。
お店のマスターに「全然臭くないですね」と声をかけると、「マトンとごぼうの相性が良いですよね。お互いの良いところを引き出し合って、臭みも消えると思います」と言っていました。
実は、この「マトンとごぼうのスープカレー」は、インドやスリランカなどのカレーの本場にもない、こちらのオリジナルです。なんでもマスターと奥さんがイノシシ鍋からヒントを得て作ったのだそう。作り方は、マトンをヨーグルトやレモンで揉み込み、それから鍋でごぼうなどの野菜と一緒によく煮てスープをとる。そこに南インドのマトンカレーのスパイス使いを応用しているそうです。
あまりの美味しさに一気に食べ尽くしたので、もうちょっと食べたくなり、追加でライスをお代わりして「ゴーヤと豚肉のマサラ」というのも試してみました。
ゴーヤの歯ごたえが良くて、トマトの酸味、玉ネギの甘みが効いていて、スパイスの香りも高く、実に爽やか。これまた作り方を聞くと。
「豚肉とゴーヤ、玉ネギ、トマトを炒めて、そこにスパイスもチャチャッと(ターメリック、コリアンダー、チリパウダー、クミン)入れて、隠し味で少々醤油。ゴーヤチャンプルーを作るような感覚でいいんですよ」
と、簡単そうにおっしゃっていました。私はスパイスには疎いものですから、この日から『ライモンディ』さんに通い、面白いカレーを食べながら少しずつ作り方などを聞くようなりました。