飛ぶように売れるパン屋のプリン!『本郷ベーカリー』の「本郷プリン」がめちゃくちゃ美味しい理由

贅沢な味わいにうっとり

 フタを開けてみると、バニラの香りがふわっと立ちます。小さな気泡も見えて手作り感たっぷり。表面は固めに見えますが、スプーンですくった感触は、プルプルしていて、中はなめらか。

バニラの香りがたまりません
バニラの香りがたまりません

 バニラの贅沢な香りがあたりに漂い、食べてみるとめちゃくちゃ濃厚&クリーミー。特筆すべきはそのコク! 卵の濃厚さは言うに及ばず、牛乳や生クリームなどすべての素材のコクがぎゅっと詰まっている感じです。高級レストランで最後に出てくるような、ものすごくリッチなデザートの味わいです。一体どういうふうに作られているのか、非常に気になります。

表面は固めに見えますが、中はとろ~りなめらか
表面は固めに見えますが、中はとろ~りなめらか

 一度目で美味しすぎて感動し、リピートすべく2度目に買いに行ったときに、このプリンの美味しさの秘訣についてお店の方に聞いてみました。

 答えてくれたのは『本郷ベーカリー』の総料理長・平松怜音さん。
「パン屋さんで売っているプリンだけど、びっくりするくらい美味しいと思ってもらいたくて、濃厚なコクとなめらかな口当たりを目指しました。オレンジ色に見えるのは、使っている卵の卵黄が濃いオレンジ色だからです。しかも濃厚なコクを出すために、全卵と卵黄の割合で、卵黄をかなり多めにしているんですよ」とのこと。

 その卵というのが「マキシマムこいたまご」という高級卵。一般的な卵の値段の3倍近くするそうで、丁寧な飼育法とこだわりの餌により、卵黄の濃さを極限まで引き出した卵なんですって。

「卵以外だと、牛乳、生クリーム、バニラビーンズのほか、マスカルポーネチーズやウイスキーも入れて卵液を作っています」と平松さん。

 この卵液をスチームコンベクションオーブンに入れ、85℃の低温で40分かけてゆっくりじっくり蒸し焼きするそうです。じつは平松さんは、前職ではイタリアンのレストランのシェフをしていたそうで、その経験を生かし、パンはもちろん、プリンなどのデザートにもさまざまな工夫を凝らしているのです。

「何度か作っているうちに、隠し味にバニラ風味を感じるスコッチウィスキー“バランタイン”をほんの少し入れることで、思い描いていた味のプリンが完成した感じです」

 たくさんの種類のパンの合間に作っているので、プリンは1日30個限定。お昼くらいまでに行けば必ずゲットできると思います。ぜひ食べてみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:本郷ベーカリー

住:東京都文京区本郷2-26-11
TEL:03-6801-8755
営:8:30~18:00(売り切れ次第営業終了)
休:年中無休