コロッケやハムカツ、チキンカツなど、揚げものを挟んだ「おかずコッペ」。昼時には飛ぶように売れる店があるという噂を耳にして、向かったのは東京文京区・本郷三丁目。昭和3年に創業の『手造りのパン 木村屋』さんである。商店街でひときわ目立つ黄色の幌が目印の昭和レトロな佇まいで、入店してみるとやっぱり昔ながらのガラスケースの対面販売。
200円前後の「おかずコッペ」たちは、トレーにゴロゴロと並んでいる。フランクはパリッと、揚げ物はカリカリッとしていて、一目で「手造り、出来立て」が伝わる。昨今のブーランジェリーでも、“焼きたて”がウリだが、筆者にとっては少々オシャレすぎて、こうした無骨ながらも温もり感があるほうが美味しそうに感じてしまう。
お店の“お母さん”にお話を聞くと、パンはもちろん、中に挟む揚げ物、付け合わせのポテサラやゴボウサラダ、マヨタマなど、店の厨房で手作りしているそう。だから、次々と奥から出来立ての「おかずコッペ」や「おやつパン」が出てくる。
「とくに人気のおかずコッペは何ですか?」と尋ねると、「何が1番というのはなくて、みなさん、お好きな味があるようで、同じものを買って行かれる方が多いかしらね」
確かに、訪れるお客さんは、迷うことなく、フランクやチキンカツ、コロッケ、海老カツ、焼きそばなどの「おかずコッペ」を買っていく。併せてクリームパンやジャムパン、アンパンなどの「おやつパン」も購入しているようだ。噂通り、「飛ぶように」売れている。
そこで常連さんに声をかけて、オススメの「おかずコッペ」や「おやつコッペ」をご紹介していただいた。