かき氷もラーメンも超一流!“かき氷の女王”原田麻子さん推薦の『ブンブンブラウカフェ』がスゴい!

空洞を開ける繊細な削り

今回も、“ブンブンさん”のかき氷について詳細にガイドしてくれた原田さん
今回も、“ブンブンさん”のかき氷について詳細にガイドしてくれた原田さん

「まず注目してもらいたいのは氷の削り方です。小さなガラスの器に、氷を高く盛っていくんですが、真ん中に空洞を作ってくれるんです。この空洞があることによって、自然にそこに氷やシロップを落としながら食べることができるので、高さがあっても崩れにくくバサッと倒したりすることがない。この空洞を開けて形を保つ削り方は、斎藤さんの商標登録みたいな技術で、本当に素晴らしい。純氷を細かくふわふわにする繊細な削り方で、食感もふわふわしていて口溶けバツグン。シロップのこだわりもすごくて、10時間かけて甘酒を作ったり、きな粉を焙煎して石臼で挽いたり、丁寧に時間をかけて仕込んでいらっしゃって、もう、ほんと、斎藤さんは天才で努力家。尊敬します!」

斎藤さんの空洞を作る氷の削り方はかき氷界では有名。斎藤さんいはく「空洞を作ることで、空気を含むので溶けづらいことと、壁が薄くなるので、シロップがしみこみやすいんです。また再結晶しづらいので、最後までフワフワ感のまま食べられる」とのこと。
斎藤さんの空洞を作る氷の削り方はかき氷界では有名。斎藤さんいはく「空洞を作ることで、空気を含むので溶けづらいことと、壁が薄くなるので、シロップがしみこみやすいんです。また再結晶しづらいので、最後までフワフワ感のまま食べられる」とのこと。

 「かき氷にはコレだという正解はないので、今回ご紹介した名店の皆さんは、誰からも教えてもらっていないところから、自分で答えを見つけながらやっていると思うんです。斎藤さんは特に研究熱心な方なので、本を読んで調べて、科学的にかき氷を作っています」

 斎藤さんにもお話を伺ってみると、次のようなお答え。
「僕がかき氷を作り始めてすぐに、原田さんのようなかき氷マニアの方がきてくれました。その方たちが、僕のかき氷を食べて素直にダメ出しもしてくれたんです。それを受け入れて、試行錯誤しているうちにかき氷も料理なんだと、より追求するようになりました」

 そして、かき氷は、鮨のシャリとネタと一緒で、2つのバランスが大事なんだとわかったと、斎藤さんは言う。
「氷とシロップのバランスが大事。どんなに美味しいシロップを作っても、両者のバランスが良くないと、美味しくないんです。だから氷の削り方や量、シロップの粘度や量をものすごく考えました。さらに、毎回同じグラム数の氷が削れるわけではないので、1杯1杯、作るたびにそのバランスをとても気をつけています。それを少しでも感じていただけたときが、作る側として報われる瞬間です」

店主の斎藤直樹さん
店主の斎藤直樹さん

 これを聞いて、原田さんに最初に会った時、かき氷の魅力について聞いた時のことを思い出した。
「かき氷って、日本人の繊細さや美意識が表れる食べものだと感じています。例えば書道のような。墨と半紙だけで余白の美しさを表現するように、かき氷も、シロップと素氷で表現する。両者のバランスが大事です。『枕草子』では、かき氷を「儚きもの」と表現していますが、昔、貴重だった蜜を素氷にかけて、儚く消える一瞬の味わいを楽しんでいたと思うんです。私も、そうした一瞬の美味しさをこれからも味わいたいし、また作る側となった今はそうしたかき氷を追求して作っていければと思っているんです」

 今回、かき氷の女王・原田さんとご一緒させていただき、氷の奥深さを垣間見ることができた。今度はぜひ、秋、冬、春の、それぞれの“旬のかき氷”を食べに行ってみたい。

(取材・文◎土原亜子)

ブンブンブラウカフェウィズビーハイブ 店内

●SHOP INFO

ブンブンブラウカフェウィズビーハイブ

店名:ブンブンブラウカフェウィズビーハイブ

住:東京都品川区旗の台3-12-3 J-BOXビル2階
TEL:03-6426-8848
営:月火木金土12:00~15:00(LO14:30) 18:00~23:00(LO22:30)
  日・祝12:00~16:00(LO15:30) ※完売次第終了
休:水