東京下町の魅力を再確認! スカイツリーのお膝元「キラキラ橘商店街」で食べ歩き散歩

『おでん種大国屋』のおでん

 京島3丁目からスタート。明治通りまでの450mをのんびり歩いてみます。まず入り口付近には、関東おでんの大きな鍋が飛び込んできます。ここはおでん種専門店の『おでん種大国屋』。生の魚からすり身を手作り、毎日揚げたてを販売しています。 おでん種は1つ50円からととってもリーズナブル! お持ち帰りできるおでんも60円からとうれしくなる価格です。

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『鳥正本店』の焼き鳥&串カツ

 次にぶらりと寄ってみたのは、焼き鳥とお惣菜が並ぶ『鳥正本店』。店頭には「焼き鳥」がずらり。肉、ネギマ、レバー、皮、つくねはどれも1本70円。秘伝のタレがたっぷりとかかった「たれ味」と「旨塩」の焼き鳥は、ふっくらおいしい。

「串カツ」は、この大きさで110円。そのほかにもメンチカツやコロッケ、チキンカツなど店頭で揚げられた揚げ物が並びます。煮物やキンピラなどのお惣菜の種類も多いので、この近くに住んでいたらご飯を作らなくなるかも。毎日通いたい店です。

 こちらのいちばん人気は、「すみだモダン認定品」のキラキラブランド「チキンぎょうざ」。「すみだモダン」とは、墨田区産業観光部産業振興課内の「すみだ地域ブランド推進協議会」が認定したすみだを代表する地域ブランド商品のこと。この日はあいにく売り切れでしたが、「チキンぎょうざ」は餃子餡をとり皮でくるりと巻いてこんがり焼いたもの。次回訪問する時に期待です。

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『三善豆腐工房』の豆乳ベーグル

 ショーケースにはコッペパンのみを置く、レトロ感満載の有名店、懐かしいコッペパンのお店『ハト屋』を過ぎてどんどん進み、多彩な商品が楽しめる『三善豆腐工房』へ。店先に並ぶ変わり種豆腐の種類の多さにびっくり。定番のきぬ、木綿はもちろん、おぼろ、ゆず、ゴマ、ざる豆腐からバジル豆腐までと幅広いラインナップ。一般社団法人日本豆腐マイスター協会が主催する「TOFU LOVERS Selection」にて2年連続で金賞を受賞した実力店です。豆腐以外にも注目は、「豆乳ベーグル」やおからと卵で焼き上げた「おからケーキ」、豆腐をさっと炙って焦げ目をつけメイプルシロップでいただくスイーツなど、豆腐のスイーツにも力を入れています。

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『きくのや』のモツ焼き

 ゴールの明治通りを目前に、もつ焼きの煙と香りに誘われてぶらりと立ち寄ったのは、もつ焼きの『きくのや』。昼間からお酒がいただける、ちょっとディープな昭和感満載の店です。もつ焼きは、シロ、タン、レバー、ハツ、カシラ、ナンコツ、つくねの7種類が各100円。40年以上注ぎ足しているという「秘伝のタレ」で作られるモツ焼きをつまみにして、気のいい常連組に混じって、15時から酒盛りの開始です。

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『御菓子司さがみ庵』の和菓子

 最後にいただくのは『御菓子司さがみ庵』の「キラキラのかほり」(120円)という和菓子。まんじゅうの皮に、刻んだ柚子を混ぜ込んだ香りの良いまんじゅうです。『御菓子司さがみ庵』は、大正13年創業の和菓子店で現在は3代目の老舗の名店です。みたらし、あん、ごまのだんごや栗どら焼きなどの純和菓子のほかにも、朝市で販売する赤飯がおいしいと評判です。

 店頭には三代目の趣味のレトロなメンコなど、昔の子供が遊んだ玩具が一緒に並べられていて、ちょっと面白い和菓子店です。

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 さまざまな店に寄りながら、ゆっくりと散歩すること1時間。いろいろな店があって食べ歩きにもぴったりです。古い商店街ですが、活気があって思わず写真を撮りたくなるフォトジェニックな場所がたくさん。少し路地裏に入ると、大正時代に建てられた長屋やポンプ式の井戸が残っていたりと、ノスタルジックな雰囲気を満喫してみてください。

●SHOP INFO

店名:下町人情キラキラ橘商店街

住:東京都墨田区京島3-49-1(向島橘銀座商店街協同組合)
TEL:03-3612-2258
営:各店舗による
休:各店舗による
http://kirakira-tachibana.jp/

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●著者プロフィール

矢巻美穂

国内、海外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマン。趣味は温泉めぐりと食べ歩き。座右の銘は「美味しいものは産地で食べるに限る」。旬の美味しいものをその産地で食べることに興味津々。著書に「トレッキングとポップな街歩き ネパールへ」「とっておき! 南台湾旅事情故事」がある。