料理カメラマンが伝授する、ミラーレス一眼で料理を美味しく撮るウラ技【シズル編】

料理の「臨場感」をいかに表現できるかがポイント

 そもそもシズルとは「原義は、油で揚げたり、熱した鉄板に水を落としたときに、じゅうじゅう音を立てるさまの意」(デジタル大辞泉より)です。例えば、手で割ると湯気が出て、見るからに蒸したてほかほかの肉まんや、ジョッキに雫がついてキンキンに冷えた様子のビールなどは、「おいしそう!」と感じますよね。これがシズルです。この臨場感をいかに写真で表現するかがポイントになるのです。

 ではいくつか実際に例をあげて説明してきます。まずはグラスになみなみと注がれているビールから。

 うーん思わず喉をゴクリと鳴らしそうですね。ここでポイントになるのが泡なのですのが、表面にできる白い泡のことだけではありません。

 実はビールの下面から上面に向けて上がり続ける、細かい炭酸の泡こそがシズルにとって重要なポイントとなります。広告などの商品撮影で、よく「シズル感」という言葉を使いますが、グラスについている水滴も、「冷えている」というシズル感をより出すために重要な要素といえるのです。

 では、焼きたて、茹でたてなどの「出来たて」を表現するにはどういう方法があるでしょうか。