【食楽旅】いま注目の“兵庫テロワール旅”とは?「丹波」でしか出会えない魅惑のグルメツアー体験記

城下町散策の後に。一皿ごとに感動と懐かしさを覚える『山里料理 まえ川』の料理とは?

 丹波篠山の観光地といえば「城下町」エリア。約600mにわたり、藩政時代の面影を残す家並みが続いており、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。ここには江戸時代の武家屋敷が残る地域のほか、昔の庄家が立ち並び、古くから続くお店、カフェや雑貨店などの新しい店が混在。ぶらりと町歩きするのも楽しい場所となっています。

城下町エリアらしい風情ある佇まいの名店

昔ながらの格子戸を引いて店内へ。これまた風情がある
昔ながらの格子戸を引いて店内へ。これまた風情がある

 そんな城下町の一角に、ランチやディナーに訪れたい一軒のお店があります。それが、篠山の食文化を紡ぐ若き料理人・前川友章さんの店『山里料理 まえ川』です。

 店内は町屋の風情を残した造りになっており、しっとりと居心地がいい。ここでいただけるのは篠山の里山で取れた旬の野菜や山菜、鹿や猪のジビエ(肉)、魚などを使った滋味深い郷土料理です。

「ちょっとした調理の工夫で、昔から伝わる料理がとても美味しくなる」……彼の料理の原点にはそんな思いを教えてくれたおばあちゃんの料理があるそう。そこに彼ならではの斬新な味付け、盛り付け、器選びなどが合わさり、「懐かしく、素材のシンプルな美味しさを感じながら、なんとも斬新な一皿一皿」が楽しめるのです。

ジビエの解体スペースも装備。本気のジビエ料理がいただける

 鹿や猪を使ったジビエ料理も楽しめるのがポイント。店内には解体スペースもあり、新鮮な肉をシンプルに調理し、工夫を凝らした薬味や調味料でいただきます。ジビエは人によって好き嫌いがありますが、こちらでいただけるのはなんともクセがなく、実に美味しい。

野菜も前川さんの手にかかると極上の一皿になる
野菜も前川さんの手にかかると極上の一皿になる

 〆のごはんと味噌汁、漬物にいたっては、身体に染み渡るような旨さに感動。ごはんは天日干しした米を土鍋で炊き、ほんのりと甘く粒立っています。味噌汁は、黒豆味噌を使った深みのある一杯。漬物も一つひとつ、多彩な味わいを見せ、ごはんと味噌汁と漬物。これだけで、日本の素朴な料理の素晴らしさを感じとることができました。

●SHOP DATA

山郷料理 まえ川

住:兵庫県丹波篠山市立町93
TEL:090-2065-4595
営:11:30~15:00(L.O.14:00)、17:00~22:00(L.O.19:00)※ディナーは要予約
休:不定休(月曜定休、祝祭日の場合は翌平日)
※篠山城跡から東へ徒歩約6分