舌を抜かれるような激辛っぷり! カルディで買った辛すぎる韓国即席麺「閻魔大王」を辛ラーメンと食べ比べてみた

悶絶級の辛さの先に待っていたものとは?

左が辛ラーメン、右が閻魔大王
左が辛ラーメン、右が閻魔大王

 同時に作って、完成しました。両者から地獄谷のような湯気が上がっていますが、まず、「辛ラーメン」のスープからひと口。これは想定内。いつもどおりの目の覚めるような唐辛子のキリリとした辛さが来て、その奥にコクも感じられます。さらに2口目、スープに麺の小麦がとろりと溶け込んでいるので、まろやかさも感じます。そして麺をすすると、もっちりした麺に、コクのあるスープが浸透していて噛みしめるほどにじんわりと旨みが広がります。

辛ラーメンは辛いけど、まろやかさも感じます
辛ラーメンは辛いけど、まろやかさも感じます

 続いて、「閻魔大王」のスープをひと口。それだけで思わず体がのけぞります。冒頭にも言いましたが、これ、ヤバいんです。大声で「うわ、辛っ」と叫び、「ムリ、ムリ、ムリ」と口走ってしまう…。まさに悶絶級の辛さなんです。たったひと口で、口の中は火が燃えるような熱さ。ヒリヒリと舌が痛い!

 味を知りたいので果敢にもうひと口。しかしやっぱり「ムリ、ムリ、ムリ」。辛すぎてヒリヒリ味としか表現できません。それでも、恐る恐る麺を1本、口に入れてみます。すすったら多分、むせて吐き出すかもしれないので、麺1本を箸でくるくる丸めて口に入れてみました。すると、当たり前かもしれませんが、麺はスープほど辛くないです。そこで、2~3本を一気に口に入れてみたら、ブハッとむせて、時間差で恐ろしい辛さが牙を剥いて舌を襲ってきます。やっぱりどエラい辛さです。

「閻魔大王」の危険すぎる辛さに悶絶
「閻魔大王」の危険すぎる辛さに悶絶

 舌がバカになってきたので、牛乳やカルピスを飲んでみますが、舌の炎上は止まず。そこで、あえて「辛ラーメン」を食べてみると、あろうことか、とっても優しくてマイルドな味わい。思わずホッとします。もともとそれなりにホットな辛ラーメンで和めるほどなので、いかに「閻魔大王」が恐ろしい辛さか、お分かりいただけると思います。

 気を取り直して、もう一度、「閻魔大王」にトライするも、やはり辛すぎて、ついに手が出なくなってしまいました。水道で口をすすぎますが、痛い。とにかく痛い。呆然としていると、アツアツだった「閻魔大王」も次第に湯気をひそめ、ゆっくりと冷めていきます。でも、もう手を出せません。「これ、もう見なかったことにしよう」。そう思ってしばらくテレビを見て現実逃避。

1時間後の「閻魔大王」
1時間後の「閻魔大王」

 そのまま放置すること1時間。丼の中では、スープをたっぷり吸い込んだ麺が膨張していました。あの激辛スープを麺がほとんど吸い込んでしまったのです。筆者の舌も落ち着きを取り戻していますが、この麺を再び食べたら、またあの地獄の苦しみを味わうことになるのは必定と思われます。

 しかし、食べ比べてレポートすると宣言したので、もはや根性です。この冷め切った「閻魔大王」を食べてみたのです。すると、あれ? そんなに辛くない…イケます。食べられるどころか、麺に染み込んだスープのコクも感じられます。モチモチした麺自体に美味しさを感じるし、噛むほどに旨みも感じる。驚くべきことに「辛ラーメン」よりコク深いような気すらします。ん? 美味しいかも。自分の舌が順応したのか、はたまた成長したのか。

左は「辛ラーメン」のスープ、右は「閻魔大王」のスープ
左は「辛ラーメン」のスープ、右は「閻魔大王」のスープ

 不思議に思ってネットでいろいろ調べてみると、辛さと舌の関係が判明しました。どういうことかというと、舌に備わる味蕾は、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味などの“五味”を感じ取る部分ですが、辛さを感じることはないそうです。では辛さは何で感じるかというと、舌にある「温冷覚」と「痛覚」の刺激を感じる神経。つまり、辛さは味ではなく熱さと痛みらしいのです。だから、温度が下がると、辛さを感じにくくなったわけですね。

 そこで、冷めた「辛ラーメン」と冷めた「閻魔大王」を、改めてちゃんと食べ比べてみると、辛さで覆われていた旨味やコクがくっきり浮かび上がり、個人的な意見ですが、「閻魔大王」は「辛ラーメン」よりも濃厚なコクがあって実は味わい深いと思いました。

 というわけで、辛いものにめっぽう強い人を除き、辛さに負けずにしっかり「閻魔大王」を味わうには“冷やし閻魔大王”にするのがオススメ。もちろん、辛いモノに自信のある人は、ぜひ熱々状態からチャレンジして、舌を痛めつけられてみてください。

(撮影・文◎土原亜子)