旨い店はタクシー運転手に訊け! 麺とスープが昼夜で変わる、池尻大橋の絶品つけ麺『麺処 和利道』

スープだけでなく麺も昼夜変わる!

「まぜめん」800円
「まぜめん」800円

 私はハマると通い詰める性分でして、最初の訪店から、タイミングを見ては昼時に『和利道』さんのそばに車を止めるようになりました。

 猫舌なのですが、「あつもり」(麺が熱いバージョン)に挑戦してみたりもしました。こちらの「あつもり」は、麺が熱々のスープに入ってくるのですが、そのスープ自体、鰹出汁が効いていて、これだけでも美味しいんですよ。また「まぜそば」800円をいただくと、スープ、カエシ、油の絶妙な旨みを感じることができます。

あつもりの麺は、鰹出汁のスープ(スープ割りと一緒のものです)に入っていて、このスープも美味しい!
あつもりの麺は、鰹出汁のスープ(スープ割りと一緒のものです)に入っていて、このスープも美味しい!

 そんなある日、初めて、夜の時間帯の訪店を果たしました。昼と夜のスープが違うことは、券売機の上に貼ってある紙にも書かれていたのを見て知っており、その機会を伺っていたのです。そして、舌でしっかり確認しました。

 夜の鶏ベースのつけ汁は、昼の豚ベースに比べて魚介の味が少し強めに立っていること、そして、鶏の脂のおかげで、丸みを帯びた優しい味になっているようにも感じます。同じ動物系でも確かに違う。どちらが好みかは別にして、夜の胃袋には鶏ベースのスープがあっさりしていて良いと思います。そんな作り手の気遣いが感じられるスープなのです。

 しかもこの日、新たな事実を知ることになりました。お店のスタッフの方に「夜の鶏も美味しいですね」と声をかけてみると「実は、麺の太さも昼と夜では少しだけ変えていて、昼よりちょっと細めなんですよ」と教えてくれたのです。なんというこだわりでしょうか。実は、私はこれには気づかなくて、心底びっくりしてしまいました。

大きな寸胴で、豚、鶏、魚介の3つのスープを作り分けています。ラーメン作りは繊細かつ、力仕事なんです
大きな寸胴で、豚、鶏、魚介の3つのスープを作り分けています。ラーメン作りは繊細かつ、力仕事なんです

 スープ、麺の美味しさをお伝えしましたが、最後にこちらのチャーシューのことも言わせてください。チャーシューというと、柔らかさを取り上げがちですが、こちらは、箸で掴んでも型崩れしないしっかりしたタイプ。特に別皿のチャーシューは分厚くてこれだけいただいても満足感たっぷり。そして噛むと柔らかく、スープに浸すとさらに味が深まる。こんな風にチャーシューの味変も楽しめるんですよ。

 もうすぐお店に着きます。もう夕方なので、今日は、夜の「つけめん」の美味しさを味わってみてください。そして、是非、お昼にも行ってみて、繊細な味の変化を感じてくださいね。私は、今から夜の銀座へ向かいます。

(構成◎土原亜子)

●SHOP INFO

麺処 和利道(わりと) 外観

店名:麺処 和利道(わりと)

住:東京都目黒区青葉台3-7-10 Cross One 1F
TEL:03-5456-0278
営:11:00~15:30
  18:00~21:30(スープ切れ次第終了)
休:水

●プロフィール

荒川治

東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。