旨い店はタクシー運転手に訊け! 麺とスープが昼夜で変わる、池尻大橋の絶品つけ麺『麺処 和利道』

焼き石で「スープ割」の香ばしさを堪能

「和利道つけめん」1,100円
「和利道つけめん」1,100円

 初めてこちらの「つけめん」を食べたのはお昼でした。以前からこのお店に行列ができているのは車中から見ていましたし、調べてみると超有名店。いつか行こうと思っていました。ただ乗務中の休憩時間なので、時間をかけて並ぶわけにもいかず、折を見て伺ったのは確か2~3年ほど前の15時過ぎ、昼営業終了間際だったと思います。外待ちはなく、多少の中待ちのみだったと記憶しています。

カウンター12席ほどです
カウンター12席ほどです

 入店後に券売機でメニューを選ぶシステムで、私は店名が付いている「和利道つけめん」1,100円の大盛(300g)を選びました。ちなみに並盛200g、中盛250gで、すべて料金は一緒です。

 カウンター席に座ると絶妙のタイミングで着丼。行列のできるラーメン屋さんは、こうした細心の気配りをされていて、いつも感服します。

「和利道つけめん」は、つけ汁、麺、そして別皿のトッピングの3点セットで登場します。スープの見た目は“どろ系”で、色はカレースープのようにも見えます。上にチャーシュー2枚、メンマ、ネギ。そして、麺はツヤツヤと輝く中太麺。別皿は、煮卵、チャーシュー、メンマ、ネギが載っています。つまり「和利道つけめん」はダブルトッピング。この別皿というのは、人によって楽しみ方が色々あるんです。

 スープをレンゲで一口いただいてみると、豚骨ベースのスープに魚介系のダシが利いた、いわゆる“ダブルスープ”。濃厚どろ系ですが、もう少し的確に言うとポタージュっぽくてクリーミーです。つけ汁にも色々なタイプがあり、好みが分かれる「煮干し系」や「背脂ガッツリ系」などがありますが、こちらは女性にも好かれる上品なとろみだと思います。

ツヤツヤ、もっちりした中太麺
ツヤツヤ、もっちりした中太麺

 そして、特に秀逸なのがこちらの中太麺です。モッチリとした食感でツルツルと喉ごし良く、噛みしめると小麦粉の旨みがしっかりと味わえます。つけ汁に浸すと、絡みがとてもよくて、改めて「つけめん」というのは“麺をとことん味わう料理”と再認識できます。私は、大概、ものの数分で大盛麺を食べ尽くしてしまいます。

別皿のトッピングは、チャーシュー、煮卵、メンマ、ネギ
別皿のトッピングは、チャーシュー、煮卵、メンマ、ネギ

 でも、これで終わりではありません。「つけめん」の楽しみは、ここからなんです。麺を食べ終わったら「スープ割」の出番。ご存知のように、残ったつけ汁に「割スープ」を入れて薄めていただくのですが、こちらでは、「割スープ」をお願いする際に「焼き石もお願いします」と声がけしてください。

「焼き石」
「焼き石」

『和利道』さんでは、常に熱々の「焼き石」を無料でスタンバイしています。つけ汁に「割スープ」を注ぐと、どうしてもぬるくなってしまうので、そこに「焼き石」を入れて熱々のスープとして楽しんで欲しいという気配り。

 私の場合は、「割スープ」を入れる前のつけ汁に、いきなり「焼き石」を入れます。すると熱々の焼き石によって濃厚なつけ汁がジュ~ッ! と焼け、香ばしい“焼きスープ”のようになります。そこに「割スープ」と別皿に残しておいたチャーシューとネギを入れていただくんです。こうすると、より香りも味も深みがある絶品スープになると思います。