1日1600本売れる! 神戸の名物パン『ケルン』の「チョコッペ」の秘密とは?

1日1600本売れる! 神戸の名物パン『ケルン』の「チョコッペ」の秘密とは?
食楽web

●神戸のご当地パンとして知られる『ケルン』の「チョコッペ」はなぜ人気なのか? その味と合わせて、49年前の誕生秘話を代表者に聞く!

 古くから西洋文化に馴染みがあり、老舗パン屋が多くあることから全国でも有数のパン激戦区として知られる神戸。そんな神戸で直営8店舗を展開する老舗ベーカリーがあります。

 その名は『ケルン』。1946年に神戸・御影にて創業し、今年で創業77年を迎える名店ですが、この『ケルン』の代表的商品が「チョコッペ」というパン。49年前の1974年に考案されたパンで、ソフトフランスの中にミルクチョコレートがびっしり塗られた名物パンです。

『ケルン 三宮店』には巨大な「チョコッペ」がお出迎え(食楽web)
『ケルン 三宮店』には巨大な「チョコッペ」がお出迎え(食楽web)

 シンプルながらも唯一無二の奥深い味にハマり、この「チョコッペ」を目当てに県外から神戸にやってくる人もいるほどの人気です。今回は、この「チョコッペ」について誕生の秘密を代表者に聞きながら、味についても改めてご紹介します。

今から49年前は「パンに甘いものをサンドする」文化はなかった!?

1974年の誕生時、全てが斬新だったという「チョコッペ」
1974年の誕生時、全てが斬新だったという「チョコッペ」

「チョコッペ」が誕生したのは1974年頃。神戸はもちろん全国的に見ても今ほどパンの種類はなかったそうです。そんな中で『ケルン』の2代目(先代社長)が考案したのが「チョコッペ」。その珍しさ、美味しさから発売して間もなく大ヒットに至ったと代表者は語ります。

「1970年代初頭は、シンプルなパンに甘いものをサンドするという文化はありませんでした。そこに目をつけ『ならばチャレンジしてみよう!』と、先代(2代目社長)のもと開発が行われ、完成したのが『チョコッペ』でした。販売開始時は御影本店で1日400~500個ほど売れる人気商品になりました。」(『ケルン』代表者)

 また、「チョコッペ」はその味だけでなく、商品を示すためにパンに「帯」が巻かれていますが、それも当時は斬新だったそうです。

「『出来上がったパンに帯を巻こう』と言ったのも先代(2代目社長)でした。帯のデザインは、オリジナルフォントをデザイナーに製作依頼したもので、実は今はもうデータが残っていないんです。また、当初はクルミパンやバタールといった他の商品にも帯を巻いていたのですが、今は『チョコッペ』と『バタッペ』にだけ巻かれています。」(『ケルン』代表者)

少なく見積もっても累計2200万本販売!

 その味に、かわいらしい見た目から49年という長きにわたり愛され続ける「チョコッペ」。現在では全国で知られる人気パンですが、全国的にその名が広まったきっかけはなんだったのでしょうか?

「神戸出身で現在は他の地域にお住まいの方が『神戸のソウルフード』として周りの方に紹介してくださったり、テレビや各種メディアで取り上げられたことで広まっていったんだと思います。また、『ケルン』ではパンの通販も行っており、『パンはパン屋さんで買うもの』というイメージを覆した『宅配できるパン』を打ち出したことも、全国的に人気が広まった一因ではないかと考えています」(『ケルン』代表者)

 結果これまでの累計販売数は、少なく見積もっても2200万本を超えるとのこと。さらにこれまでに売れた「チョコッペ」(長さ18cm)を全て並べると、直線距離で神戸から横浜に届くそうです。