最強カレーショップを探せ! CoCo壱・C&C・日乃屋…5社のカレーを食べ比べて違いを調査した

金沢式を踏襲した真っ黒カレー!『ゴーゴーカレー』

『ゴーゴーカレー』の「ウインナーカレー」900円(税込)
『ゴーゴーカレー』の「ウインナーカレー」900円

 続いて、金沢式カレースタイルを踏襲し、全国にその味を広めたことで知られる『ゴーゴーカレー』を実食。金沢式カレーの特徴である「銀色の皿に盛られている」「真っ黒のカレーがご飯にどっぷりかけられている」「皿にキャベツが盛られている」といった点を見事に踏襲しています。

 ちなみに『ゴーゴーカレー』の名の由来は「55工程を経て作られる」「55時間寝かせて完成」といった「55(ゴーゴー)」にちなんだもの。これだけの手間暇をかけられたカレーは、強いコクを感じさせ、そして後から甘さ、辛さ、苦さが複雑に入り混じる味。また、どことなくオイリーでもあり濃厚なパンチがあるので、ガッツリいきたい人にはハマりそうです。

 なお、本来の金沢式カレーでは、前述の様式に加え、とんかつをのせることが多いわけですが、今回はあえてハズし、「ウインナーカレー」をオーダーしました。

その色、コク、オイリーさは忘れられない味わいです
その色、コク、オイリーさは忘れられない味わいです

 正直、ウインナートッピングで900円(税込)は高いと感じますが、それでも手間暇かけたインパクトのあるカレーをいただけることを考えれば、仕方ない値付けかもしれません。

 この濃厚なカレールーは、ご飯やキャベツとの相性も抜群ですが、今回いただいたパリッと焼かれたウインナーともバッチリ合い、ご飯が進みまくりました。インパクト強めのカレーなので、後味もしっかり。昼食後、運動を伴う仕事がある場合はエネルギーチャージに食べるのも良さそうだし、何より「今日はガッツリ食べたい!」という場合には真っ先にチョイスしたいカレー、それこそが『ゴーゴーカレー』のように思います。

厳選された大量の香味野菜と果物の旨みを感じる超個性派カレー『もうやんカレー』

『もうやんカレー』の「肉全部カレー」1400円(税込)
『もうやんカレー』の「肉全部カレー」1400円

 最後は、『もうやんカレー』です。1997年に西新宿にオープンし、厳選した大量の香味野菜をエクストラバージンオリーブオイルのみでじっくり時間をかけて焙煎し、漢方薬膳オリジナル熟成スパイスで全体をまとめており、味は超個性派。唯一無二のカレーチェーンと言って良いでしょう。

 好みがはっきり分かれそうですが、膨大な量の野菜と漢方のおかげで、健康的なカレーでもあります。今回、筆者はカレーベースが野菜&漢方なこともあり、ビーフ・ポーク・チキンが入る「肉全部カレー」をオーダーしました。

繊維感のあるカレーとゴロゴロ肉がマッチ!(食楽web)
繊維感のあるカレーとゴロゴロ肉がマッチ!(食楽web)

 カレールーは漢方のスパイス感がすごいです。甘さ、苦さ、酸味などが複雑に絡み合います。超個性派カレールーが、ゴロゴロとした牛肉、豚肉、鶏肉の塊に絡み、実に美味。肉の煮込み加減も最高で、かなり繊細な調理がなされているように感じました。食べ応え、味わいともに十分すぎる一方で、野菜ベースなので罪悪感は薄い不思議なカレー。それこそが『もうやんカレー』のように思いました。ただし、1400円と値段はCoCo壱番屋を軽く凌駕。これはけっこうな高価格です。

●それぞれに味の特徴がまるで違った!

 ここまで『COCO壱番屋』、『カレーショップC&C』、『日乃屋カレー』、『ゴーゴーカレー』、『もうやんカレー』をそれぞれ食べ比べてきましたが、各ブランドで味の特徴はもちろん、優位性がまるで違うことがわかりました。

 個人的には、気軽に慣れ親しんだカレーを食べたい場合は『COCO壱番屋』か『カレーショップC&C』、個性派をいただきたい場合は『日乃屋カレー』、さらに「今日はガッツリいくぞ!」という場合は『ゴーゴーカレー』。超個性派で野菜感を欲している際は『もうやんカレー』。こんな風にチョイスしようと思いました。

(撮影・文◎松田義人)