飛ぶように売れる2000円スープカレー!伝説の移動販売『ハチドリカリー』が傑作をひっさげて開店!

誰もがトリコになる骨付丸鶏スープカレー

ランチセットの「マボロシ」小鉢付き。主に国産の旬野菜を使う。この日は、れんこん、アスパラ、舞茸、かぼちゃ、なす、ジャガイモ、オクラ、パプリカ、ピーマンの8品。1つ1つが大きい!
ランチセットの「マボロシ」小鉢付き。主に国産の旬野菜を使う。この日は、れんこん、アスパラ、舞茸、かぼちゃ、なす、ジャガイモ、オクラ、パプリカ、ピーマンの8品。1つ1つが大きい!

 さまざまな事情があり(それは後述するとして)、店舗を構えることになったが、移動販売の時と同じく1800円~。もっとも高いのは「頂点」で2500円。来店する人のほとんどは2000円の「マボロシ」を注文する。

キッチンカーに貼っていたメニュー写真もそのまま店で使用中。ちなみに「コテン」は、「マボロシ」と同じ具材の国産骨付き鶏を使用し、ゴロゴロ野菜を小さめにしたバージョン。「頂点」は、「マボロシ」の鶏を地鶏にしたバージョン。「キワミ」は、地鶏を使用し、野菜を小さめにしたバージョン。
キッチンカーに貼っていたメニュー写真もそのまま店で使用中。ちなみに「コテン」は、「マボロシ」と同じ具材の国産骨付き鶏を使用し、ゴロゴロ野菜を小さめにしたバージョン。「頂点」は、「マボロシ」の鶏を地鶏にしたバージョン。「キワミ」は、地鶏を使用し、野菜を小さめにしたバージョン。

「僕は昭和40年代頃に出されていた元祖札幌のスープカレーを作りたくて、カレー屋を始めたんです。元祖とは、鶏の旨みを味わうスープ。それを再現したくて、国産の一羽丸ごとの鶏と利尻昆布から丁寧に出汁をとります。ちなみに丸鶏は、刺身に使えるほど鮮度のよいものです。また、具材に入れる鶏は、国産骨付鶏をフレンチの手法“コンフィ”のようにゆっくり揚げ煮したものを合わせます」

 この骨つきコンフィ、そんじょそこらのフレンチより美味しいのでは? と思うくらいホロホロで、旨みが凝縮されている。鶏と一緒に揚げたジャガイモも入っていて、鶏の旨味がしっかり移っていて香ばしい。もはやカレーに入っているジャガイモの概念を超える旨さ。

「札幌のスープカレーは、インドやスリランカのカレーのようにスパイス使いの巧みさ味わうというよりも、出汁を味わうカレー」だと言う平中さん。だから出汁にとことんこだわるのである。

寸胴で国産丸鶏と利尻昆布で出汁をとる。丁寧にアクをとって、そのスープとスパイスでつくる。和風の深い味が魅力のカレースープ。
寸胴で国産丸鶏と利尻昆布で出汁をとる。丁寧にアクをとって、そのスープとスパイスでつくる。和風の深い味が魅力のカレースープ。

「東京のスープカレー屋で、国産鶏を使っているところは僕が知っている限りないですし、また、具材の鶏肉もスープをとった出がらし肉を使うところが多いです。だからこそ、僕は鶏にこだわりたかった。でも、最初、900円で売っていたときに、一部のお客さんに“高い”、“遅い”などと言われたことがあって。材料にお金をかけ、仕込みに時間をかけているんだから、と開き直り、だったらもっとわかりやすく、さらに仕入れのコストと時間をかけて1800円にしたら、びっくりするくらい売れたんですよ」

スパイスがガツンとくるというより、出汁の旨みをしみじみ感じることができる。ちなみに辛さは100倍まであり(30倍までは無料)。スープが足りない人は追いスープ100円も。
スパイスがガツンとくるというより、出汁の旨みをしみじみ感じることができる。ちなみに辛さは100倍まであり(30倍までは無料)。スープが足りない人は追いスープ100円も。

 移動販売の時も今も、注文が入ってから野菜を素揚げするので時間もかかる。待たせることもしょっちゅうだ。でも、「待ってでも食べたい」と言ってくれるお客さんばかりだそう。

「逆説法じゃないですが、“食べたい人はどうぞ”という強気な姿勢を貫いているんです。でも、そのインパクトのおかげで、お客さんとお話しするきっかけが増え、“カレー・コミュニケーション”がきちんととれているなと思います」