京都の名物うな丼は鰻が見えない! だし巻き玉子がドーンとのった『京極かねよ』の「きんし丼」を食べてきた

だし巻き玉子がドーン! 話題の「きんし丼」は本当に美味しいのか?

 京都の老舗鰻屋ということで少し緊張しながら席につき、メニューを確認すると、定番のうな重などに混じって「きんし丼」の文字を発見しました。

 注文後、しばらくしてやってきたのがこちら。フタが乗った状態で運ばれてきました。フタがされた丼ぶりは、開けて中身を見る楽しみがありますよね。

きんし丼(上)3100円
きんし丼(上)3100円

 いざオープン! と思ってフタを取ってみると、「えっ!?」となります。鰻がいると思った丼ぶりは見渡す限り、黄色い物体で埋め尽くされています。その正体は、玉子焼き。確認のために少しだけ食べてみると、ダシの風味としっとりとした口当たりで、いわゆる京風のだし巻き玉子でした。

 鰻屋でうな丼を注文したと思ったのに、だし巻き玉子丼が運ばれてきたらびっくりしますよね。

 でも、安心してください。この大きなだし巻き玉子の下に鰻の姿。うな丼の上に大きなだし巻き玉子が乗っているのが、『京極かねよ』の「きんし丼」の正体です。

鰻とだし巻き玉子のコラボが絶妙すぎる!

 だし巻き玉子が乗ったうな丼は初体験。まず結論から言ってしまえば、スゴく美味しいです。

 少し冷静になって考えれば、鰻と玉子焼きの関係性は鰻の蒲焼が入った「う巻」と同じ。美味しくないはずはないのですが、それにしても旨い!

 食べ方は各人の自由なので、鰻だけ食べても、だし巻き玉子だけ食べてもいいですが、オススメは全てをまとめて食べる食べ方。ひと口大になるように、だし巻き玉子の上から垂直にカットして食べると、しっとりとした玉子の食感と鰻のトロリとした旨みや香ばしさ、そこに白飯が合わさって、口の中が幸せに包まれます。

 鰻は丼の中にランダムにいるので、垂直カット方式で食べ進めていくと、鰻と玉子の配分が一口ごとに違い、微妙な味の変化が楽しめます。

元は細切りの「錦糸卵」だった……「だし巻き玉子」にした効果とは?

[食楽web]
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 うな丼を食べる際には「鰻か鰻以外の部分をどう食べるか」と悩まされますが、「きんし丼」は全面を玉子で覆うことでその問題を見事に解決。宝探しのような気分まで楽しめます。

 最初は、鰻と巨大だし巻き玉子の組み合わせが不思議に思えましたが、食べ終えるころには玉子なしではちょっと物足りないと感じるようになっていました。

 ちなみに、きんし丼は本来「錦糸丼」であり、細切りにした錦糸卵を乗せていたそう。しかし繁盛するようになると、時間短縮のために今の形状で提供するようになったんだとか。その結果、だし巻き玉子がフタの役割になり、鰻がふっくら。それ以来、このスタイルが定着したそうです。

 お店は京都観光の中心地・新京極にあり、店内には滝も流れていて涼やかな雰囲気。鰻を食べたくなる初夏の京都旅行にもイチオシのお店です。

(撮影・文◎けいたろう)

●SHOP DATA

京極かねよ

住:京都府京都市中京区六角通新京極東入ル松ヶ枝町456
TEL:075-221-0669
営:11:30~15:30(L.O)、17:00~20:30(L.O)
休:無休
http://www.kyogokukaneyo.co.jp/

●著者プロフィール

けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。