連日満席! 大阪に来たら一度は食べるべき『コロンビア8』の「キーマカレー」が旨い理由

香りをイコライジングする「キーマカレー」。どんな味わい?

「キーマカレー」900円
「キーマカレー」900円

 お皿いっぱいに広がるルウと、真ん中に丸く鎮座する麦飯。30種類以上のスパイスが入ったカレールウにはインゲン、カシューナッツ、レーズンが入り、麦飯の上には甘めに仕上げた玉ねぎピクルスとししとうが乗っています。

 カルダモンやクミンなど多彩なスパイスが使われ、刺激的な辛さの中にもインゲンの食感やレーズンの甘さなどが混ざり合い、一口ごとに味変が楽しめるのも魅力です。

30種類以上のスパイスと食感を楽しむキーマカレー
30種類以上のスパイスと食感を楽しむキーマカレー

 麦飯の周りをルウで囲んだスタイルは、美味しく、上手にカレーを食べてもらうために考案されたもの。注目すべきはライスの上の“ししとう”。「スイカ×塩のように、ししとうの苦味×カレーの味をバッティングさせることで、それぞれの味覚を際立たせる効果が得られるんです。右手にスプーン左手にししとうは大阪の常識ですよ!」(オギミ〜ル☆)。

キーマカレー

 最初にししとうを食べ、カレーをひと口食べると、「このカレーは一体、何者!?」と驚愕。複雑なスパイスの香り、味わいが一気に広がり、レーズンや玉ねぎの甘さ、カシューナッツやインゲンの食感が共鳴しあいます。まさに、大阪ならではのにぎやかな演出とでも言いましょうか?

「酸っぱさ」はグレープフルーツジュースで足す

 このキーマカレーに欠かすことのできない存在が「グレープフルーツジュース」です。辛いと思った時にこのジュースを飲むことで、舌の味覚がリセットされるそう。苦味と酸味のバランスが、よりカレーを美味しく感じさせてくれる仕組みになっているんですね。

 食べ続けていると辛さが増してくるので、グレープフルーツジュースを挟む。このことで、最初に口にしたときに感じたスパイスの風味を何度でも楽しめるのが新鮮!

スパイスがふんだんに使われているのがわかるルー。今にも香りが漂ってきそう
スパイスがふんだんに使われているのがわかるルー。今にも香りが漂ってきそう

「香りをイコライジングする」と語るオギミ〜ル☆。もともとDJをしていたそうですが、とあるカレーを食べたことがきっかけで、スパイスカレーの店を開きました。その後は理想のスパイスカレーを求めて、試行錯誤の繰り返し。そんな中でひらめいたのが、「自分の音感をスパイスに当てはめる」ことだったと言います。

 体に染み付いた低音・ミドル・高音の音感をスパイスに当てはめてみると、何かを閃いたように現在のカレーが完成したのだとか。この閃きこそ、誰も真似することができないオリジナリティーあふれるカレーを生み出しているのでしょう。

スパイスが立ち込めるこじんまりした店内
スパイスが立ち込めるこじんまりした店内

 スパイスカレーに対して徹底したこだわりがありながらも、来店したお客さんに気さくに声をかけるオギミ〜ル☆。「辛さは大丈夫ですか?」、「このカレーで今日は夜まであったかいね」。オギミ〜ル☆との大阪人らしい楽しい会話も、リピーターが多い理由なのかもしれません。

(撮影・文◎道面 梓)

●DATA

コロンビア8 外観