絶品トロふわグルメ! 『金葉庭』(赤坂)の「牛玉丼」を食べてきた

初めてなのにどこか懐かしい味わいの牛玉飯

「牛玉飯(滑蛋牛肉)」950円。玉子が冷める前の熱々ふわふわで味わうべき!
「牛玉飯(滑蛋牛肉)」950円。玉子が冷める前の熱々ふわふわで味わうべき!

 待つこと数分、目の前に現れた初めての料理、「牛玉飯」。卵がフワッフワのツヤッツヤ。ところどころ牛肉が見えるけれど、ゴハンはすっぽり隠れて見えません。スプーンをもらい、早速一口。程よい中華だしの優しい味わいが口の中に広がります。

 トロトロと噛まずに溶けていく玉子に、しっとり白ごはん、そして牛肉の旨み。柔らかなものを口いっぱいに頬張ったような、とろける食感です。

中華料理の卵って、油たっぷりのパワフルなイメージがあったけれど、覆されるやさしい味わい
中華料理の卵って、油たっぷりのパワフルなイメージがあったけれど、覆されるやさしい味わい

「すき焼きのシメに卵を落として食べるの、あれを中華だしで味わっている感じでしょ?」と笑顔で話しかけてくれるおかみさん。

 中華粥というよりすき焼きのシメ。でももっとふわふわでエアリー。すき焼きの砂糖醤油のような力強さはなく、控えめな中華だしの旨さが卵や牛肉など素材の旨みを引き立たせている感じです。

ふわふわに対してサクッ&パリッの春巻きも一緒に!

「春巻」780円。皮のパリッと感、中のシットリ感、やはりプロの味は違うと実感
「春巻」780円。皮のパリッと感、中のシットリ感、やはりプロの味は違うと実感

 想像していた以上に美味しい「牛玉飯」に、食欲も加速。こうなったらサイドメニューも気になる、と思い、もう一度メニューをチェックし、追加で「春巻」も注文します。餃子や焼売も悩んだけれど、「牛玉飯」がトロフワなので、サイドメニューはパリッとした食感の違うものを楽しみたい。

「牛玉飯」を2/3ほど食べ進めたところで揚げたての春巻がやってきました。一口目は……熱いっ! 慌てて食べたらダメだとわかっているのに、つい毎回やってしまう春巻あるある。皮はパリッパリ、そして中から湯気の立つあんが。何もつけずそのままを味わいます。

 中のあんは、タケノコ、しいたけ、豚肉、エビと香味野菜。いわゆる昔ながらの春巻です。これまたどこか懐かしさを感じる、ホッとする美味しさ。なんでだろう、この店、初めて入ったのに、ホッとすることの連続です。

「テイクアウトは応相談。事前に電話でご連絡ください」(店主)
「テイクアウトは応相談。事前に電話でご連絡ください」(店主)

「牛玉飯」と「春巻」を食べつつ、ぼーっと店内を見ていてわかった。この店、中華料理店にありがちな、ガチャガチャ騒がしい感じがほとんどない。厨房からの距離が近いから調理する音は聞こえるけれど、おそらく店主夫婦の連携が完璧なのか、穏やかに料理が出てくる感覚。店内もメニューの短冊やサインとかはなく落ち着いた空間なのも、ガチャガチャ感がないのに通じているような気がします。

 帰り際、店主に、「牛玉飯」がなぜこんなにふわふわなのか聞いてみると「あんまり火が強すぎると固くなるので、さっとあげる感じですね」。とても美味しかったと告げると「うちは昔からそのままの味、何十年もやっているから、特別なことはなく、変わらない昔ながらの美味しさでやっているんですよ」とのこと。

 赤坂エリアといっても日枝神社に近い、赤坂駅と赤坂見附のほぼ中間地点にある『金葉亭』。ランチタイムはちゃんぽんと皿うどん2種のみなので、「牛玉飯」を食べるなら18時以降に来店を。時間があれば、餃子や焼売はもちろん、「紹興酒」(グラス800円)や「桂花陳酒」(グラス650円)とともに、ゆっくり飲んで料理を楽しみたいお店でした。

(取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

金葉庭(キンヨウテイ)外観

店名:金葉庭(キンヨウテイ)

住:東京都港区赤坂3-7-9
TEL:03-5570-2626
営:11:30~14:00(L.O.)、18:00~21:00(L.O.21:00)
休:土曜、日曜、祝日