日本一のプロバーテンダーに聞いた! 銀座で頼むと“粋”なカクテル&酒5選

ほのかな緑が美しい「グリーンアラスカ」

「グリーンアラスカ」1800円。薬草酒のほんのりとした苦味が大人の味
「グリーンアラスカ」1800円。薬草酒のほんのりとした苦味が大人の味

 最初にご紹介いただいたカクテルは「グリーンアラスカ」。リキュールの女王とも呼ばれる「シャルトリューズ」の「ヴェール」に、ジンは「NO.3 ロンドンドライ・ジン」を合わせたカクテルです。

「アルコール度数はマティーニより高いですが、すーっと入って薬草酒の爽やかな味わいが楽しめます。ちょっと体のことを気遣う、銀座のママにも人気のカクテルですね」(山崎さん)。

『バー・ゴヤ』では、空気を含ませる作り方により、香りを立たせ、口当たりを柔らかく仕上げています。「シャルトリューズ」のほのかな苦味と香りがふわりと漂い、強いけれどスッキリとした美味しさです。

フルーティなザクロの味わいが魅力的な「ジャックローズ」

「ジャックローズ」2000円。鮮やかな赤はざくろ由来
「ジャックローズ」2000円。鮮やかな赤はざくろ由来

 2杯目は「ジャックローズ」。深みのある緋色が印象的なカクテルです。「通常は、りんごのブランデーにフレッシュライムとグレナデンシロップで作りますが、冬季はフレッシュなザクロの実を入れています」と山崎さん。

 甘みと酸味のバランスが絶妙、男性にも女性にも好まれるフルーティな味わいのカクテルです。

さりげなく頼むと大人感アップ「フレンチ75」

「フレンチ75」2300円。大人の気配りを見せるならこのカクテル!
「フレンチ75」2300円。大人の気配りを見せるならこのカクテル!

 ときには意中の女性と一緒にバーに行く機会もあるはず。そこで、女性同伴の男性が、粋に見えるカクテルを聞いてみました。

「それならフレンチ75ですね」と即答する山崎さん。「フレンチ75」はシャンパンとドライジンを合わせたカクテル。名前の由来はフランス軍が採用していたM1897 75mm野砲で、第一次世界大戦の時にパリで生まれたカクテルです。これは、女性がグラスシャンパンを頼んだ時に、一緒にオーダーするのが粋だそうです。

「お連れの女性が、グラスシャンパンを頼んだときに、バーのシャンパンボトルが一本開いたことに配慮して”じゃあ僕はフレンチ75で”と頼むと、バーテンダーにこの人わかっているな、と思ってもらえるカクテルです」(山崎さん)

 バーのバックグラウンドにまで目配りできる、まさに粋な大人の魅力を感じさせます。

神戸生まれのロングカクテル「ソル・クバーノ」

「ソル・クバーノ」1500円。グレープフルーツとラムで爽やかな中にパンチがある
「ソル・クバーノ」1500円。グレープフルーツとラムで爽やかな中にパンチがある

 4つめは日本生まれのカクテルを。「ソル・クバーノは神戸にある『サヴォイ北野坂』の木村氏が考案したカクテルで、ラム、グレープフルーツ、トニックウォーターを合わせたカクテルなんですよ」(山崎さん)。

 ラムにグレープフルーツで、トロピカルなカクテルなのに日本生まれ。ちょっと意外です。

「口当たりがよく人気のあるカクテルですね。バーに詳しいお客様がよく注文するカクテルの一つです。少し喉が渇いている時にこれを頼むといいですよ」(山崎さん)。

 1980年開催された、第1回トロピカルカクテルコンテストで1位に選ばれ、その後日本中に普及し、今ではスタンダードカクテルとなった「ソル・クバーノ」。いつか神戸の発祥の地にも行ってみたいものです。

葉巻とともに味わうべき!?「チャーチル」

「チャーチル」1700円。味の層がいくつも感じられる、趣のある味わい
「チャーチル」1700円。味の層がいくつも感じられる、趣のある味わい

 最後の1杯はスコッチ・ウイスキーをベースにしたカクテル「チャーチル」。ロンドンにある高級ホテル「サヴォイ・ホテル」のアメリカンバーで、イギリスの政治家、ウィンストン・チャーチルへの敬意を表すために創作されたカクテルです。

「ダンディズムあふれ、男っぽいカクテルですね。銀座で一人でこれを飲んでいると、渋くてかっこいいと思います」(山崎さん)。

 スコッチウイスキーに、ホワイトキュラソー、ライムジュース、スイートベルモットを合わせて作るカクテルで、甘みと酸味のバランスが完璧。コニャックベースのカクテル「サイドカー」に通じるものがあります。

 もしバーに置いてあれば、葉巻と一緒に嗜むのもアリ。シガーをくゆらせながら、ゆっくりとカクテルの深い味わいを堪能しましょう。

山崎さんの出身地、高知で採れた生姜を使ったカクテルも人気
山崎さんの出身地、高知で採れた生姜を使ったカクテルも人気

『バー・ゴヤ』は16時オープン。なので夜出かける前の軽い一杯や、待ち合わせ、0次会の場所として利用するのもおすすめ。銀座に数多くあるバーの中でも、特にシェリーが充実しているので、シェリーを飲み比べしたい、という人にもぴったりです。

 銀座のバーというだけで、敷居が高いと感じるかもしれませんが、そこには洗練された「本物のカクテル」があります。早めに仕事が終わった夜、ちょっと銀座まで足を伸ばして、珠玉のカクテルを楽しんでみませんか?

(撮影◎小嶋裕 取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

店名:バー・ゴヤ (BAR GOYA)

住:東京都中央区銀座6-4-16 花椿ビル 2F B2号
TEL:03-6264-5583
営:16:00~24:00(L.O.23:30)
休:日曜、祝日(連休の場合不定休、詳しくはHPで確認を)
※税・サ10%別