焼肉の概念が変わる! 『96 NIKUHOLIC』で贅沢すぎる極上焼肉を楽しんできた

「アジト」がテーマのヒップな空間は海外のよう

ウェイティングバーのある焼肉店を訪れたのは筆者も初めての経験
ウェイティングバーのある焼肉店を訪れたのは筆者も初めての経験

 2019年11月20日にオープンした96 NIKUHOLICは、1日4組限定、個室が2部屋のみの焼肉店。ビルのエレベーターを降りるとバーカウンターが現れ、ここが焼肉店だと思う人はいないはず。

4人部屋はレンガ風の壁で温かみがある
4人部屋はレンガ風の壁で温かみがある

 さらに、店内の個室を覗いてみると、いずれも焼肉店というよりは、モダンフレンチがいただけそうな雰囲気です。4人部屋と6~8人部屋の2部屋があり、各部屋の内装は少し異なります。

打ちっぱなしの壁とシックなライトが目を引く6~8人部屋
打ちっぱなしの壁とシックなライトが目を引く6~8人部屋

 同店ではコース料理のみを提供しており、「-橙- daidai」(1万2000円・税別)、「-藍- ai」(1万8000円)、「-黒- kuLo(2万4000円)」の3種類から選べます。「-橙- daidai」のみ4名からの注文となっており、ほかのコースは2名からの利用となります。

焼肉とフレンチを組み合わせたコース料理は斬新

 最初に出てきたのは、福島県産黒毛和牛の「タン元」。牛タンのなかでもタン元が一番柔らかく、焼いてもらったタン元はトリュフ塩で上品にいただきます。

普段は食べるタンとは柔らかさがケタ違い。トリュフ塩を付けるとふわっとトリュフの香りが口のなかに広がり、タンの旨みとの相性は抜群
普段は食べるタンとは柔らかさがケタ違い。トリュフ塩を付けるとふわっとトリュフの香りが口のなかに広がり、タンの旨みとの相性は抜群

 正直、高級食材×高級調味料の組み合わせは「ズルい」と食べるまでは思っていたのですが、最初からこんなにおいしい料理が出てくると、否応なしにこの後の料理への期待も高まります!

 続いて出てきたのは「シャトーブリアンの藁焼き」です。宮崎牛のシャトーブリアンを使った藁焼きで、自家製の赤ワイン塩もしくはわさびを付けていただきます。塩は日替わりとなっており、フランス産のゲランドの藻塩を出すこともあるそうです。

藁の香りは燻製よりも香ばしさが感じられる。シャトーブリアンは肉質が柔らかいというイメージだけを抱いていたが、このシャトーブリアンは肉自体の旨みが楽しめた
藁の香りは燻製よりも香ばしさが感じられる。シャトーブリアンは肉質が柔らかいというイメージだけを抱いていたが、このシャトーブリアンは肉自体の旨みが楽しめた

 この2品で「焼肉の定義とは?」と思わずにいられませんでしたが、次に出てきた「ハラミとホタテのミ・キュイ」で「私は今、フレンチの店に来ている」と自分に言い聞かせたくなりました。それもそのはず、鹿児島県産の黒毛和牛と北海道根室産のホタテと使用し、甲殻類のソースがかかったこちらのメインディシュは、フレンチ出身のシェフによって提供されたひと品なのです。

黒毛和牛と魚介を合わせた贅沢なひと品は、素材同士が互いの良さを引き出し合っている
黒毛和牛と魚介を合わせた贅沢なひと品は、素材同士が互いの良さを引き出し合っている

 ハラミといえば焼肉店でもよく食べる部位ですが、鹿児島県産の黒毛和牛の脂の甘みと甲殻類のソースの旨みが一体となる経験は生まれて初めて。そろそろハラミの脂っぽさが辛くなり始めたお年頃ですが、これならいくらでも食べたい!

バラ肉のなかでもヒレに一番近いのがカイノミ。脂がしつこくなくて肉質は柔らかい
バラ肉のなかでもヒレに一番近いのがカイノミ。脂がしつこくなくて肉質は柔らかい

 最後に出てきたのが、宮崎牛の「カイノミ」と「ザブトン」です。カイノミはゲランドの藻塩、ザブトンはかつおだしを使ったタレにつけていただきます。

ザブトンはかつおだしをふわりまとわせて食べることで、肉の旨みと脂の甘みがいっそう引き立つ
ザブトンはかつおだしをふわりまとわせて食べることで、肉の旨みと脂の甘みがいっそう引き立つ

 96 NIKUHOLICでは、そのときどきで仕入れる肉が変わりますが、いずれも「国産黒毛和牛」という点にこだわっています。メニューは1週間ごとに変わるので、何度訪れても驚きがありそうです。落ち着いた大人のアジトで、極上の焼肉を体験してみてください。

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●著者プロフィール

今西絢美

編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好きで、フードツーリズムマイスターの資格も持つ。